学内の方
レポート・論文作成支援
目次
III.論文の発表について
I. レポート・論文の書き方を学ぶ
I.1.レポート・論文とは
論文とは、基本的に下図のように構成され、一定の形式を持ち、あるテーマに関する自分の主張を、論理的な根拠を挙げながら、読み手に説明する文章です。自分の研究を読み手にわかりやすく伝えるために、タイトルや抄録の表現を工夫したり、文章の構成を整理したりすることも重要です。
レポートも、基本的には、論文と構成は同じです。授業などで与えられたテーマ・課題について書きます。課題・テーマについて授業をベースに内容を説明し、それに対して自分は何をしたいか(序論)を書き、調べて分かったこと(本論)、自分の考え(結論)とつづけて、全体では論理展開がなされているとよいでしょう。抄録やキーワードなどは不要です。文末の参照文献(参考文献)リストは忘れずにつけるようにしましょう。
I.2.参考図書を読む
レポート・論文の書き方に関する本は多数出版されています。執筆の早い段階で、このような本を何冊か読んでおくと参考になるでしょう。
図書館でも借りることができます。東京大学OPACで「論文作法」などと入力して検索してみてください。
書架でブラウジングする場合には、下記のリストにあるNDC分類などを参考にしてください。但し、図書館によってはNDC分類で並んでいるとは限りません。使い方としては、NDC分類で図書を並べている図書館・室では、407や816.5あたりの書架にこのような本が並んでいそう、と予測がつきますので、その棚の前でよさそうな図書を手にとってみてください。
(例)
- 酒井聡樹(1960-). これからレポート・卒論を書く若者のために / 酒井聡樹著. NDC8:816.5; NDC9:816.5. 東京: 共立出版, 2017. 【簡単にまとめてあります】
- 戸田山和久(1958-). 論文の教室 : レポートから卒論まで / 戸田山和久著. NDC8:816.5; NDC9:816.5; NDLC:UC813. NHKブックス. 東京: NHK出版, 2022.【説明が一部会話形式です】
- 木下是雄(1917-2014). レポートの組み立て方 / 木下是雄著. NDC8:816.5; NDLC:UC813. ちくま学芸文庫. 東京: 筑摩書房, 1994.【文系の方向け】
- 木下是雄(1917-2014). 理科系の作文技術 / 木下是雄著. NDC8:407; NDLC:M112. 中公新書. 東京: 中央公論新社, 2002.【理系の方向け】
- Eco, Umberto, 1932-2016, and 谷口勇(1936-). 論文作法 : 調査・研究・執筆の技術と手順 / ウンベルト・エコ著 ; 谷口勇訳. NDC9:801.6; NDC8:801.6; NDC8:876. 東京: 而立書房, 2019.【卒業論文向け】
- 近藤克則(1958-). 研究の育て方 : ゴールとプロセスの「見える化」 / 近藤克則著. NDC8:002.7; NDC9:002.7; NDC9:490.7 NDC10:002.7. 東京: 医学書院, 2018.【研究デザインを1から考える】
- 浜田麻里, 平尾得子, and 由井紀久子. 大学生と留学生のための論文ワークブック / 浜田麻里, 平尾得子, 由井紀久子共著. NDC9:816.5; NDC8:816.5; NDLC:UC813. 東京: くろしお出版, 1997.【ひらがなが振ってあります】
- 片山晶子, 中嶋隆浩, and 三品由紀子. 理系学生が一番最初に読むべき!英語科学論文の書き方 : IMRaDでわかる科学論文の構造 / 片山晶子編集・執筆 ; 中嶋隆浩, 三品由紀子執筆. NDC8:407; NDC9:407. 東京: 中山書店, 2017.【1冊で全体を俯瞰できます】
- 長谷川修司. 研究者としてうまくやっていくには : 組織の力を研究に活かす / 長谷川修司著. NDC9:407. ブルーバックス. 東京: 講談社, 2015.【実体験に基づく記述があります】
- Minto, Barbara, 山崎康司, グロービス・マネジメント・インスティテュート, and グロービス. 考える技術・書く技術 : 問題解決力を伸ばすピラミッド原則 / バーバラ・ミント著 ; 山崎康司訳. NDC8:336.55; NDC9:336.55; NDLC:DH251. 東京: ダイヤモンド社, 1999.【ビジネス本】
- 小野義正. ポイントで学ぶ科学英語論文の書き方 / 小野義正著. NDC8:407; NDC9:407; NDLC:M112. 東京: 丸善出版, 2016.
- 小野義正. ポイントで学ぶ科学英語論文の書き方 改訂版. 丸善出版, n.d.
[E Book](学内から)
[E Book](学外から) - Day, Robert A., and 美宅成樹(1949-). はじめての科学英語論文 / Robert A. Day [著] ; 美宅成樹訳. NDC8:407; NDC9:407. 東京: 丸善, 2001.
- Gastel, Barbara, and Day, Robert A., 1924-,. How to Write and Publish a Scientific Paper / Barbara Gastel and Robert A. Day. LCC:T11; DC23:808.06/65. Santa Barbara, Calif.: Greenwood, 2016.
- Wallwork, Adrian, 前平謙二(1959-), 笠川梢, and 講談社サイエンティフィク. ネイティブが教える日本人研究者のための論文の書き方・アクセプト術 / エイドリアン・ウォールワーク著 ; 前平謙二, 笠川梢訳. NDC8:407; NDC9:407; NDC10:407. 東京: 講談社, 2019.
- Wallwork, Adrian. English for Writing Research Papers. Springer, n.d.
[E Book](学内から)
[E Book](学外から) - 兵藤申一(1927-). 科学英文技法 / 兵藤申一著. NDC8:407; NDLC:M116. 東京: 東京大学出版会, 2015.
- 日本物理学会. 科学英語論文のすべて / 日本物理学会編. NDC8:407; NDC9:407. 東京: 丸善, 1999.
- Swales, John, and Christine B. Feak. Academic Writing for Graduate Students : Essential Tasks and Skills / John M. Swales & Christine B. Feak. LCC:PE1408. Michigan Series in English for Academic and Professional Purposes. Ann Arbor, [Mich.]: University of Michigan Press, 2012.
- エディテージ, and 熊沢美穂子(1977-). 英文校正会社が教える英語論文のミス100 / エディテージ著 ; 熊沢美穂子訳. NDC8:836.5; NDC9:836.5. 東京: ジャパンタイムズ, 2016.
- エディテージ, and 熊沢美穂子(1977-). 英文校正会社が教える英語論文のミス : 分野別強化編 / エディテージ著 ; 熊沢美穂子訳. NDC8:836.5; NDC9:836.5. 東京: ジャパンタイムズ, 2017.
- The Chicago Manual of Style. LCC:Z253; DC23:808/.0270973. Chicago: University of Chicago Press, 2017.
- Chicago Manual of Style. The University of Chicago Press, n.d.
[E Book](学内から)
[E Book](学外から) - Strunk, William, and White, E. B. (Elwyn Brooks), 1899-. The Elements of Style / by William Strunk Jr. ; with Revisions, an Introduction, and a Chapter on Writing by E. B. White. LCC:PE1408; DC22:808/.042. New York ; Tokyo: Pearson Longman, 2009.
- Strunk, William, White, E. B. (Elwyn Brooks), 1899-, 松本安弘(1929-), and 松本アイリン(1930-). 英語文章読本 / ウィリアム・ストランク,Jr.原著 ; E.B.ホワイト改訂増補・解説 ; 松本安弘,松本アイリン訳・ノート. NDC8:835.1; NDLC:KS63. 東京: 荒竹出版, 1979.
- 「母語でない英語」で学術論文を書くということ[PDF / 片山晶子 東京大学大学総合教育研究センター 駒場ライターズスタジオ](2023)【学内限定】
I.3.学内のレポート作成・論文執筆支援サービスに参加する
学内の支援サービスの一部をご紹介します。詳細は各サイトでご確認のうえ、ぜひ積極的に活用してください。
またここには掲載されていないものもあります。ご所属の学部のサービス有無については、それぞれの学部へ問い合わせてみてください。
◆ English wRIting Consultant (ERIC) / 工学系研究科国際化推進部門
- ライティングチューターのトレーニングを受けた東京⼤学在学中の留学⽣たちが、東京大学の学⽣・スタッフの
科学英語論⽂(学会発表、学会誌掲載論⽂など)やキャリアドキュメント(履歴書や留学書類)に対し
書き⽅のコツの指導やフィードバックを⾏っています。
対象者:全学の学生・スタッフ
◆ 英語論文執筆支援サービス / 柏インターナショナルオフィス
- 対象:東京大学柏キャンパスに所属する学生、研究者、職員
◆『UTokyo Writing Resources』サイト (リサーチ・アドミニストレーター推進室)
- UTokyo Writing Resourcesは、東京大学の研究者・学生に向けて、英語論文執筆・投稿に関する情報を集約してお届けする場所です。このサイトでは主に自然科学系における“英語での論文”の執筆・投稿に関する情報を扱っています。
◆ UTRA Commons: Community Portal for UTokyo Research Administration(リサーチ・アドミニストレーター推進室)
- 研究活動の活性化に向けた研究推進・支援業務に関連したウェブサイトへのリンク集・学内研修コンテンツ・学内イベント情報などが掲載されています。
◆ 全学の方に参考になりそうなこんなページも!
- Tips for More Effective Technical Writing / 柏インターナショナルオフィス
◆ 授業科目での執筆支援
最新の開講状況・内容など。
- 「東京大学授業カタログ」→「アカデミック ライティング」「academic writing」などのキーワードで検索。※ドイツ語、フランス語、中国語、ロシア語等で同様の科目実績もあり
- 「MIMAサーチ」→論文 書き方で検索
I.4.講習会に参加する
◆ 講習会
論文の探し方や文献管理ツールの使い方などの講習会は、年間を通して各キャンパスで実施(2020年~はZoomメインで開催中)しています。授業への出張講習やオーダーメイド講習も無料で承ります。
- 講習会スケジュール: 今後の講習会スケジュールカレンダーを確認できます。
- イベント: 講習会毎の詳細情報を確認できます(左メニュー 講習会)。
- 出張講習会: 授業などへの出張講習、グループや個人でのオーダーメイド講習の申込方法など。
- 講習会テキスト: 過去の講習会のテキストなど。分野ごとのテキスト、留学生向けのテキストもあり。
◆ 論文の書き方についてのセミナー
毎年11月頃に開催することが多いです。(シリーズで3回ほど)
過去の資料がありますので、ご参照ください。
*当日のスライド⇒講習会メニュー → 講習会テキスト 参照
参考情報:過去の開催
講習会カレンダーで前年11月頃を確認ください。
◆ 出版社などが実施する外部講習会
随時 LiteracyのTwitterで開催をお知らせしております。
II.1.論文の構成
科学論文を書く場合の構造としてIMRaD(イムラッド)と呼ばれる構造があります。IMRaDとはIntroduction/Methods/Results/And Discussion/の頭文字からとられた用語です。
■論文タイトル(Title)
■書誌情報(ジャーナルタイトル、著者名、所属機関、出版年、巻号ページ)
■抄録(Abstract)
■キーワード(Keywords)
■本文序文(Introduction)/■方法(Methods)/■結果(Results)/and ■考察(Discussions)
■参考文献(References)
■謝辞
これらの構造のうち、どこから書き始めたらよいのか?何を書けばよいのか?は、参考図書リストの本(長谷川修司. 研究者としてうまくやっていくには : 組織の力を研究に活かす、や片山晶子, 中嶋隆浩, and 三品由紀子. 理系学生が一番最初に読むべき!英語科学論文の書き方 : IMRaDでわかる科学論文の構造 など)でお勧めの方法などが紹介されています。医学系の方は、康永秀生. 必ずアクセプトされる医学英語論文 : 完全攻略50の鉄則 なども参考になるでしょう。講習会テキストページの「論文を書くためのテキスト」論文投稿講座 論文作成に役立つ研究メソッド(学内限定)なども参考にしてください。
II.2.参考文献リスト、引用文献リストの書き方
参考文献リストの書き方は、学会や雑誌ごとに決められています。
投稿予定雑誌の投稿規定(Guide for Authors)や執筆要綱などをご確認ください。学会や雑誌のWebサイトなどで確認できます。確認すると、“Referenceの書き方は、原則APAスタイルを参照”などと記載があるはずです。
同じ雑誌論文がVancouverスタイルとHarvardスタイルとで、それぞれどのように参考文献として記載されるか、下記の例で確認してみてください。
媒体ごとの書き方の決まりもあります。
図書1冊を参照したとき、図書の一部を参照したとき、電子ブックの場合など、それぞれスタイルごとに参考文献リストへの記載方法について定めがあります。
- はじめての参考文献リストの見方(リテラシー担当作成)では、媒体ごとの記載例をSIST02スタイルをベースに紹介しています。先生から配布された参考文献リストを見るときなどにも参考にしてください。
- SIST02スタイルは日本語の引用スタイルによく使われていますが、2011年度末に更新がストップしています。なお、番号付けのあるスタイルとしては、Vancouver styleなども良く使われています。
その他の資料
はじめての参考文献リストの見方は、普段見慣れていない方向けの資料です。
学会ごとに参考文献リストの書き方を定めたスタイルガイドや執筆投稿の手引きがあります。下記は一例です。必要な学会のスタイルガイドや投稿手引きを確認してみましょう。
参考文献リストはWordやExcelではなく、文献管理ツールを使って作成するのが便利です。
- はじめての参考文献リストの見方(リテラシー担当作成)
- 社会学評論スタイルガイド(日本社会学会)
- 執筆・投稿の手びき(日本心理学会)
- 科学技術情報流通技術基準 SIST02 参照文献の書き方 https://jipsti.jst.go.jp/sist/pdf/SIST_booklet2011.pdf
- 国内学会の行動規範・投稿規定 (HTML / 国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST))
- The MLA Style Center / The Modern Language Association
- (UTokyo OPAC) The MLA Style Manual and Guide to Scholarly Publishing (3rd ed)
- (UTokyo OPAC) Publication manual of the American Psychological Association (7th ed)
- (UTokyo OPAC) A manual for writers of research papers, theses, and dissertations: Chicago Style for students and researchers (9th ed)
- (UTokyo OPAC) The Chicago manual of style (17th ed)
II.3.文中引用方法
論文の中での引用箇所の示し方(文中引用方法)についても、学会や雑誌で指定されたスタイルに従う必要があります。
学術雑誌に投稿する論文を書く場合には、参考文献や文中引用の書き方のほかにも、図や表の作成方法、本文の長さ、段落のつくり方、略語の使用についてなど、細かい決まりがある場合があります。他にも投稿するための決まり(投稿資格など)がありますので、投稿したい雑誌がある場合には、執筆前に投稿規定、執筆要綱をよく確認をしてみてください。
II.4.文献管理ツールについて
集めた論文の文献情報をWordやExcelに入力して管理し、参考文献リストを作成するのは大変です。また、執筆要綱に沿った形に参考文献や文中引用を揃えるのも手作業では大変です。
そんな時に、活用できるソフトウェアとして、「文献管理ツール」があります。文献情報を1か所でまとめて管理することができる管理ツールです。簡単に参考文献リストや文中引用を作成することができます。
投稿する雑誌や規定のスタイルを選ぶことで、簡単に、参考文献リストや文中引用の形を整えることが可能です。
論文を作成する際に文献管理ツールを使いこなすと、参考文献リストの作成・管理にかかる労力を軽減することができます。レポート作成の段階からぜひ活用してみてください。
「文献管理ツール、便利そうだけど、使い方がわからない・・!」そんな方は、講習会に参加しましょう。定期的に講習会を開催しています。左メニューのイベントをクリック!
- 文献管理ツール参照(左メニューから)
II.5.剽窃の禁止・研究倫理
◆ 引用する際の注意事項
集めた学術情報を自分のレポートや論文の中で使う際は、他の研究成果を剽窃したことにならないよう、自分の文章と明確に区別した形で引用し、出典を明示するため、参考献リストを作成する必要があります。
参考文献は、他の著者の功績を称え、読者が論旨を追えるようにするためのものです。参考文献を書く際には、以下の点に注意してください。
- 引用の際は正確に
参考文献は、徹底的に正確に引用し、著者の本来の意図に沿って使用しなければなりません。また、他の資料からの引用をそのまま引用することは避けてください。 - 引用元に関する正確な情報を提供する
読者が元の資料に戻るためには、著者名、タイトル、ページ番号を正確に記載することが重要です。 - その他
- 引用する論文が信頼のおける論文かどうか(GoogleScholarで探した論文は、東京大学で購入している文献情報データベースに収録されているか、などを確認)。
- 第一発見者の論文(法則や概念を最初に論述している論文)は必ず引用する。
◆ 論文執筆におけるその他注意事項
利益相反(Conflict of Interest)や、オーサーシップ(Authorship)にも気を配る必要があります。以下の学内講習会の資料が参考になります。(p.34-44参照)
英語論文投稿入門【学内限定】[PDF / エルゼビア・ジャパン株式会社]
◆ 図書館で資料を集める際、またデータベースを利用する際にも注意が必要です。
- 図書館の資料の複写
図書館の資料をコピーするためのコピー機が設置されている図書館・室があります。
図書館の資料は著作権法第31条に基づき、一人一部一部分のみコピーが許されています。
その他、図書についても丸ごとコピーはできません。それぞれの図書館・室でコピー前の申請書用紙などをよく確認してください。
- 電子的な著作物
インターネット上で提供されている学術情報データベースや電子ジャーナル、Webページ上の文章、写真、図などの情報は、図書館が所蔵している図書や雑誌と同じようにすべて著作物ですので、著作権法で著作者の権利が保護されています。以下のような行為は行ってはいけません。- Webページから著作権者の許可なく文章やイラストなどを引用し、出典を明示せずに自分のWebページやレポートに利用する。
- 市販されている音楽CDやゲーム、雑誌の画像などを著作者の許可なく自分のWebページやレポートに掲載する。
- 友達の持っている市販のソフトウェアを勝手にコピーして利用する。
◆ 著作権についての参考図書やサイト
- 著作権にかかわる注意事項 / 国立国会図書館
- 博士論文と著作権 / 東京大学情報システム部情報基盤課学術情報チーム(デジタル・ライブラリ担当)
- 著作権Q&A / 公益社団法人著作権情報センター
- 著作権に関するよくある質問 / 情報処理学会
- 東大TV ※UTokyo Accountにてログインください。
- 特許について/著作権について/授業における著作物の利用について/意匠について
- 改正著作権法第35条運用指針(令和2(2021)年度版)(授業における著作物の利用について)/ 著作物の教育利用に関する関係者フォーラム
- パブリックドメインおよびクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで使用可能な素材まとめサイト集 / utelecon(オンライン授業・Web会議ポータルサイト @ 東京大学)
◆ 研究倫理についての参考図書
研究倫理に関する本は多数出版されています。論文執筆の早い段階で、このような本を何冊か読んでおくと参考になるでしょう。
図書館でも借りることができます。
(参考情報)
・東京大学OPACで「科学者倫理」「論文捏造」や「研究倫理」などと入力して検索してみてください。
(例)
1. 田中智之(1970-), 小出隆規(1966-), and 安井裕 之. 2018. 科学者の研究倫理 : 化学・ライフサイエンスを中心に / 田中智之, 小出隆規, 安井裕之著. NDC10:407; NDLC:M53. 東京: 東京化学同人.
2. 村松秀(1968-). 2006. 論文捏造/ 村松秀著. NDC9:407. 中公新書ラクレ. 東京: 中央公論新社.
3. 山崎茂明(1947-). 2015. 科学論文のミスコンダクト/ 山崎茂明著. NDC9:407. 東京: 丸善出版.
論文を執筆する際には、さらに以下のような資料も確認するようにしてください。
◆学内
- 博士論文と著作権/ 東京大学情報システム部情報基盤課学術情報チーム(デジタル・ライブラリ担当)
- 科学研究行動規範/ 東京大学
- 研究論文の作法-法学・政治学分野における博士論文作成に関するガイドライン-(PDF)
3. 出典と引用について/ 東京大学大学院法学政治学研究科 - 東京大学大学院医学系研究科・研究ガイドライン (実験系)
*3.論文作成と投稿
*4.論文投稿時にしなければならないこと - 東京大学大学院医学系研究科・研究ガイドライン(調査系)
*3.論文作成と投稿 - 言葉を大切にしよう[改訂増補版]─論文・レポート作成の心得(PDF)/ 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部
- 研究倫理綱領 / 東京大学大学院理学系研究科・理学部
- 論文作成ガイドライン(PDF) / 東京大学大学院経済学研究科
- 信頼される論文を書くために(PDF) / 東京大学大学院教育学研究科 [第4版]
- 「研究倫理規範」及び「博士論文に関する指針」/ 東京大学大学院数理科学研究科
- アカデミックマナーの心得/ 東京大学大学院情報学環・学際情報学府
◆学外
-
国内学会の行動規範・投稿規定 (HTML / 国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST))
- 科学の健全な発展のために-誠実な科学者の心得-(PDF) / 日本学術振興会
- 科学における不正行為とその防止について(PDF) / 日本学術会議
- 「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」の決定について / 文部科学省
- 出版倫理と不正行為に関する声明 / 情報処理学会:論文誌ジャーナル
- 公益社団法人日本金属学会 事業に係るミスコンダクト対応規程(PDF)
- 公益社団法人日本金属学会 学術誌の不正行為対応規程(PDF)
- 多重投稿を防止するための論文作成のガイドライン/ 日本金属学会
- 撤回論文の扱い / 医学中央雑誌刊行会
III.論文の発表について
III.1.投稿先の雑誌について
- どの学術雑誌に論文を投稿するかを検討する際は、所属の研究室など、同じ分野を研究している先輩や先生のアドバイスを聞いてみると参考になります。
- 投稿しようと考えている雑誌が主要なデータベースの収録対象誌になっているかどうかを調べたり、出版社や学会の Webサイト(journal's Overview and Aims and Scope)でその雑誌の対象読者層や対象分野などの情報を見たりすることも、投稿する際の参考になります。
- データベースによっては、テーマで論文検索し、掲載雑誌を確認することも可能です。同じ研究テーマの論文がどのような雑誌に多く発表されているのか、が参考になるかもしれません。
- 東京大学所属者の方の論文に絞り込むことが可能なデータベースもあります。先生方が投稿されている雑誌が参考になるかもしれません。対象となる研究分野のデータベースで検索してみましょう。
■指標の活用
自分で調べる場合に参考のひとつとなるデータベースとして、以下のような学術雑誌評価ツールがあります。
- 「JCR(Journal Citation Reports)」このツールで雑誌の「インパクトファクター(Impact Factor)」などを調べることができます。インパクトファクターとは、雑誌の影響度を表す1つの指標です。ただし、以下のような点に注意が必要です。
- 過去2年間の論文の被引用数のみを用いている
- 平均値を用いている(外れ値(非常に引用数の大きな論文)の影響を受ける可能性がある)
- 分野により値の水準が異なる
- 異なる分野間では、数値を比べられない
- 総合分野のジャーナルのほうが読者層が広がるため、数値は高くなる傾向がある。
- より専門性高いジャーナルのほうが、総合分野に比べて読者層が限られるため、数値は低くなる傾向になる。
- 参考情報:総合分野の幅広い読者層向けに論文を書く方が難易度は上がる(専門分野以外の方にもわかりやすく書く必要がある)。より読者層の限られている専門分野の雑誌に投稿するほうが、論文を書く難易度的には低くなる。
- 毎年更新される
■その他のサービス
- Find Journals 対象ジャーナル:Elsevier
論文タイトルや抄録、キーワード、分野を英文で入力すると投稿先候補のジャーナルを表示してくれるサービス。 - Journal suggester 対象ジャーナル:Nature Springer
- Journal Finder (Beta) 対象ジャーナル:Wiley
- 投稿ジャーナル推薦機能 EndNote内またはこちらから利用できます。(クラリベイト提供)紹介ブログはこちら。
論文を多くの読者に読んでもらうために、論文を広く無料公開する「オープンアクセス」という方法があります。しかし、学術誌としてしかるべき査読・品質管理をせず、オープンアクセス投稿料収入だけを目当てに論文投稿を勧誘するような悪質な出版活動が問題視されています。以下の資料も参考にしてみてください。
参考:ハゲタカ出版社の見抜き方 Wolters Kluwer 2021.9.29
参考:最適な論文投稿ジャーナルを選択するために Wolters Kluwer 2021.9.09
参考:Think Check Submit
III.2.査読について
査読とは、学術誌に投稿された学術論文を専門家(査読者、レフェリー)が読み、論文の内容が該当の雑誌に掲載するにふさわしいかどうか査定することをいいます。
- 査読者とのやり取りについても、参考図書の多くに記載があります。ほとんどの図書で紹介をしている内容は、「査読者とのやり取りの際には敬意を払い、丁寧、冷静、論理的に」というものです。英語論文投稿入門【学内限定】[PDF / エルゼビア・ジャパン株式会社](2023.秋)資料も参考になります。
参考:投稿した論文への修正対応時における留意点 Wolters Kluwer 2022.3.14
参考:EDITORIAL AND REVIEW WORK【学内限定】[PDF / Diego Tavares Vasques, Ph.D., ALESS Lab マネージャー](2022.秋) - Web of Science Academy [クラリベイト社提供] 無料のオンラインコース。このサイトでは査読のプロセスについて学ぶことができます。査読者目線を知ることができます。
- 論文がリジェクトされた場合には別のジャーナルに再投稿も可能→文献管理ツールでReferenceを作成していれば形式の変更が容易です。
III.3.論文をオープンアクセスにする
オープンアクセスとは、学術論文などをインターネット上で無料で公開することで、誰でもフリーにアクセスできるようにすることです。オープンアクセスにする方式は大きく2種類、グリーンロードとゴールドロードと呼ばれるものがあります。
グリーンロード:機関リポジトリ(※1)などに研究者自身が自分の論文を公開することによってオープンアクセスにする方式です。「東京大学学術機関リポジトリ(UTokyo Repository)」(※2)にて論文などを公開する場合、この方式でのオープンアクセスとなります。
ゴールドロード:読者が購読料を支払わない雑誌(オープンアクセス誌)に掲載することで、オープンアクセスにする方式です。著者が論文掲載料(※3)を負担することで、雑誌の発行にかかる費用をまかないます。
※1 学術機関リポジトリとは、大学などの学術機関が論文などの研究成果を保存・公開するシステム。
※2 東京大学学術機関リポジトリ(UTokyo Repository)は、東京大学の学術成果物を集積し広く一般に配信するサービスです。取り扱う学術成果物としては、東京大学教職員・学生による学術雑誌投稿論文、学位論文、紀要・学内刊行物などがあります。配信する学術情報を随時募集しています。URL: https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/
※3 著者負担の費用を「APC (Article Processing Charge。論文出版加工料などと訳される)」といいます。東大構成員としての割引が適用される雑誌もあります。詳しくは附属図書館ウェブサイト内のAPCに関するページをご覧ください。
参考資料
オープンアクセスについて
- オープンアクセスハンドブック 東京大学附属図書館 2017
- パブリック・ドメイン,クリエイティブコモンズとは? utelecon(オンライン授業・Web会議ポータルサイト@ 東京大学)
グリーンロードで公開する際の許諾条件を確認するサイト
- SCPJ 学協会著作権ポリシーデータベース
国内の学協会の著作権ポリシー、出版社版の利用可否、公開条件や出版社の公開規則URL等を一覧することができます。※最新の情報は、各学協会のサイト等でご確認ください。 - Sherpa Romeo
世界中の出版社が発行する雑誌のオープンアクセスポリシーや著作権ポリシーを確認することができます。
ゴールドロードのオープンアクセス誌を探す際に参考になるサイト
- DOAJ(Directory of Open Access Journals)
オープンアクセス誌を集めたサイト。査読が行われているかなどを審査し、信頼できる雑誌のみ掲載されています。 - Open Access Scholarly Publishers Association Members
「オープンアクセス学術出版社協会(Open Access Scholarly Publishers Association (OASPA))」のページ。外部の専門家による適切な査読の実施と、査読のプロセスと方針を雑誌や出版社のウェブサイトへ明示することが参加条件となっており、発行母体の信頼性を判断するための一つの参考ツールとなります。
IV.1.参考文献リストに出てくる略語・用語一覧
参考文献リストでは、繁雑さを避けるために略語を使用することがあります。類似の意味でも利用方法が異なる場合がありますのでご注意ください。
略語 | 完全形 | 意味 |
Ann. | Annales | 年報、紀要 |
Annu. | Annual | 年報、年鑑 |
anon. | anonymous | 作者不詳の、匿名の |
app. | appendix | 付録 |
Arch. | Archives | 記録集 |
art. | article | 論文、記事 |
Aufl. | Auflage | 版 |
Bd. | Band | 巻 |
Beil. | Beilage | 追録、補遺 |
Bull. | Bulletin | 会報、報告、紀要 |
c. | copyright | 著作権 |
c., ca. | circa | 約、略 |
cf. | confer(=compare) | 比較、参照、参照せよ |
ch., chap. | chapter | 章 |
col. | column | 欄 |
comp. | compiler | 編纂者 |
comp. | compiled by XX | XXにより編纂された |
conf. | conference | 会議 |
cong. | congress | 議会、会議 |
corr. | correction | 校正、訂正版 |
d. | died | 没 |
Diss. | Dissertation | 学位論文 |
do. | ditto | 同前 |
doc. | document | 文書、書類 |
Einl., Einleitg. | Einleitung | 序論 |
ed. | editor | 編(集)者 |
ed. | edition | 版 |
ed. | edited by XX | XXにより編集された |
e.g. | exempli gratia(=for example) | 例 |
enl. | enlarged | 増補された |
et al. | et alii, et aliae( =and others) | およびその他 |
etc. | et cetera( =and so on) | など |
ex. | exanple, example | 用例 |
f., ff. | and the following pages | 及びそれに続くページ |
fac., facsim. | facsimile | 複写、複製 |
fasc. | fascicle | 分冊 |
fig., figs. | figure(-s) | 図、図解、挿絵 |
front. | frontispiece | とびら、口絵 |
hb., hbk. | hardback | ハードカバー本(本装丁) |
Hft. | Heft | 分冊、号 |
Hg. | Herausgeber | 編者 |
ibid. | ibi’dem | 前掲誌、同誌 |
id. | idem | 同上、同書 |
i.e. | id est | すなわち |
ill., illus. | illustration | 挿絵 |
inc. | including | 含む |
inc. | incorporated | 組み込まれた |
inf. | infra | 下に、以下に |
intro., introd. | introduction | 序文 |
J., jour. | journal | 雑誌、学会誌 |
l., ll. | line(-s) | 行 |
l.c., loc.cit. | loco citato | 上記引用文中に |
mimeo | mimeograph | 謄写版印刷物(手稿コピーなど) |
m.s., mss. | manuscript(-s) | 原稿、写本 |
N/A | not applicable / not available | 適用不可、該当なし/利用不可 |
n., nn | note(-s) | 注釈 |
n.d. | no date of publication | 出版年記載なし |
no. | number | 号 |
n.p. | no place of publication | 発行地記載なし |
n.pag. | no pagination | 頁付けなし |
n.s. | new series | 新シリーズ |
NS | New Style | 新暦 |
op.cit. | opera citat | 前掲(引用)書に |
p., pp. | page(-s) | ページ |
par. | paragraph | 節、段落 |
pat. | patent | 特許 |
pb., pbk. | paperback | ペーパーバック本(紙表紙本) |
pl. | plate | 図版 |
pl. | plural | 複数の |
pref. | preface | 序文、前置き、はしがき |
proc. | proceedings | 議事録、会報 |
pseudo. | pseudonym | 雅号、ペンネーム |
Pt., pt. | part | 部、部分、分冊 |
pub., publ. | publisher | 出版者 |
pub., publ. | publication | 出版物、逐次刊行物 |
pub., publ. | published by XX | XXの出版 |
rev. | review, reviews | 評論誌 |
rev.ed. | revised edition | 改訂版 |
rpt., repn. | reprint, reprinted | 重版、翻刻 |
sec., sect. | section | 節、段落、欄 |
s.l. | sine loco(=no place of publication) | 出版地不明 |
s.n. | sine nomie(=without name) | 作者不詳 |
ser. | series | 双書、シリーズ |
supp. | supplement | 補遺 |
symp. | symposium | シンポジウム、討論会 |
t., tom | tome | 巻(仏) |
tab. | table | リスト、目録 |
T.O.C | table of contents | 目次 |
t.p. | title page | 表紙 |
t.p.verso | title page verso | 裏表紙 |
T.R. | technical report | テクニカル・レポート |
tr., trans. | translator, translation | 翻訳 |
trans. | transaction | 会報、紀要 |
v., vid. | vide | XXを見よ |
viz. | videlicet | すなわち |
v., vol., vols. | volume(-s) | 巻 |
Z. | Zeitschrift | 雑誌 |