電子リソース利用上の注意

はじめに

電子リソース(ここでは、電子ジャーナル・電子ブック・データベースを指します。以下同じ。)の全学での共同利用にあたり、提供元(出版社等)との間で不正利用の防止等を含めた、利用上の取り決めを交わしています。また、冊子体と同様に、著作権を侵害する行為も不正利用となります。 
全学的なアクセスを維持するためにも、以下の「電子リソース利用上の注意」を確認し、適正な利用をお願いします。

1.不正行為とは何か

ここでいう不正利用とは、以下のような行為を指します。
 

  • 東京大学の構成員(教職員・学生等)及び図書館・室が入館を認めた者以外が利用すること。

     

  • 個人の学術研究・教育目的以外で各論文等をダウンロード、コピー、ハードディスク等へ保存や印刷をすること。また、それを頒布すること。
    ※個人の学術研究・教育目的以外の利用は禁止です。

     

  • 電子媒体で第三者に流通させること。
    ※ダウンロードした電子リソースのデータを学外者を含む学会メーリングリストのメンバー全員に送付するようなことは違反行為となります。

     

  • 系統的な、または大量のダウンロードや印刷をすること。
    ジャーナルの一号全体、または大量のデータを短時間でコピー、ダウンロードすること。システマティックダウンロードをすること。
    ※短時間に何度もリロードすると、不正利用とみなされる場合があります。

2.不正利用が行われた場合

不正利用が行われた場合、提供元(出版社等)から警告が発せられるほか、 事前の警告なしに東京大学全体で当該電子リソースの利用を停止させられる場合もあります。 
学内の多くの研究に支障をきたすことになりますので、十分ご注意ください。  

通常、提供元(出版社等)ではアクセスログにより大量利用、不正利用を監視することができます。また、ダウンロード支援ソフトウェアやツールを使用したシステマティックダウンロードも機械的に検知することが可能です。 
不正利用と認められる痕跡があった場合、提供元(出版社等)は、警告を大学に発し、その発生日時と利用元IPアドレスの情報を通知してきます。 

対応は提供元(出版社等)によって違いますが、例えば、過剰アクセスや大量ダウンロードがあった場合、概ね以下のような措置がとられます。

  • 警告し調査を求める。
  • 警告し調査を求め、当該IPアドレスのアクセスを停止する。
  • 警告し調査を求め、当該IPを含む一定の範囲のIPアドレスのアクセスを停止する。
  • 警告し調査を求め、大学全体のアクセスを停止する。

図書館は、不正とされる行為がどのような状況でなされたのか(事故か、故意か、ダウンロード支援ソフトウェアを使ったのか、手動かなど)の調査及び回答と、今後の防止策の提示を求められます。これを受けて図書館では、通知された情報を元に電子リソースの利用状況について実地に調査します。 

調査の結果、不正利用でなかった場合には、その旨を図書館から提供元(出版社等)へ伝え、アクセスが停止されていた場合には解除を求めています。 
明かな不正利用はもちろん、不正と間違われるような利用も避けるよう心がけてください。(3.不正利用とみなされないためにを参照のこと) 

「現在利用制限中です / Your account is currently suspended.」という案内ページが表示されることがあります。この場合は、案内ページの表示に従ってください。なお、このメッセージは、IPやアクセス元が頻繁に切り替わることで、不正と認識された場合に表示されるようになっています。

3.不正利用とみなされないために

(特に指摘の多い"系統的な、または大量のダウンロード"について詳説します)

3-1.系統的な、または大量のダウンロードは行わない

  • "大量"または"過剰"の範囲については、何件以内ならば問題ない、ということが一様に決まっているわけではありません。提供先の規定がある場合には、その範囲内になります。

     

  • ダウンロードそのものはpdf形式のフルテキストを開くことで自動的に行われますが、ダウンロード=全文を読む行為と考えて「本文を読めないようなタイミングで次々とダウンロードしない(開かない)」ようご注意ください。また、提供元(出版社等)ではダウンロード=PCへの保存ととらえて、ダウンロード数によって警告を発する場合もあります(利用条件に一号全体のダウンロードを禁止する表現も多く見られます)。研究上必要となった都度、必要な論文だけを利用することが基本です。一号全体を通覧するような場合には、HTML形式のご利用、あるいは抄録(abstract)の参照をお奨めします。
     
  • ダウンロード支援ソフトウェアやツールを使用しての システマティックダウンロードは、不正利用と見なされ、大学全体で当該電子リソースの利用が停止される可能性がありますので、 決して行わないでください。
    東京大学で契約している電子リソースでは、基本的にテキストマイニング、データマイニング目的であってもシステマティックにデータを取得することは認められておりません。教育研究等で必要な場合には、事前に出版者などに相談すると、一定の条件のもと許諾を得られる場合があります。ご希望の場合はASKにてご相談ください。

3-2.ブラウザの先読み機能を停止する

Webブラウザの「リンク先読み機能」により、利用者が意図せずとも、大量ダウンロード/過剰アクセスを引き起こしてしまうケースもあります。
「リンク先読み機能」では、ページを閲覧中に、バックグラウンドでページ内のリンクへのアクセスが繰り返されます。そのために、本人は普通に電子リソースを利用していたつもりでも、気が付かないうちに大量ダウンロード/大量アクセスとみなされてしまうのです。以下にブラウザの設定変更を紹介しますので、「リンク先読み機能」を無効にして電子資料をご利用ください

 ブラウザ別先読み機能停止方法(2023年1月4日現在)

  • Microsoft Edge(新Edge, Chromium版Edge)
    画面右上で、設定アイコン →「設定」--「Cookieとサイトのアクセス許可」を開き、「Cookieとサイトデータの管理と削除」をクリックします。「ページをプリロードして閲覧と検索を高速化する」をオフにします。
    (Microsoft Edge(旧Edge)での発生事例が多く報告されていましたが、2021 年 3 月 9 日をもって、サポートが終了しています。新Edgeをご利用ください。)
  • Google Chrome
    画面右上で、設定アイコン →「設定」の順にクリックします。
    「プライバシーとセキュリティ」で「Cookie と他のサイトデータ」を選択し、「ページをプリロードして、閲覧と検索をすばやく行えるようにする」をオフにします。
  • Mozilla Firefox
    アドレスバーに「about:config」と入力してEnter キーを押します。
    「動作保証対象外になります!」という警告ページが表示されたら、「危険性を承知の上で使用する」をクリックします。
    ※以降の作業は慎重に行う必要があります。
    「network.prefetch-next」を「false」にします。
  • Safari (Mac)
    メニューバーの「Safari」から「環境設定」をクリックします。
    「検索」タブをクリックし、「バックグラウンドでトップヒットを事前に読み込む」のチェックをはずします。

3-3.文献管理ツールの設定を確認する

文献管理ツールの中には、複数のPDFファイルを一括で自動ダウンロードするという機能を持つものがあります。版元に大量ダウンロードとみなされますので、それらの機能は解除してご利用ください。以下に東京大学でよく利用されている文献管理ツールについて記載しますが、Zoteroなどでも同様に、設定を確認し、必要に応じて、変更ください。

EndNote 

  • 購入版を利用されている方は、Find Full Text 機能を無効にしてください。
    • 代理店ユサコ社の以下のWebサイトをご確認ください(設定する方法となっていますが、逆にしてください)。https://www2.usaco.co.jp/shop/pages/endnote_reference_management.aspx

    • または、以下のとおり設定ください。EndNote の上部メニューから Edit → Preferences を開く。 左のメニューで「Find Full Text」を選択し,一番下の「Automatically invoke Find Full Text on newly-imported references」にチェックを入れない。

  • EndNote online には、 Find Full Text 機能はありません。
  • ブラウザ拡張機能の「EndNote Click」は、ブラウザの先読み機能に近いしいことが行われます。使用する場合は、所属機関を登録せず、「無料入手可能なPDFのみ参照を利用」の設定としてください。

Mendeley

  • "Mendeley Web Importer"の設定を変更する。
    • "Mendeley Web Importer"は、ブラウザの拡張機能で、表示されているページの書誌情報を読み取るツールです。その際、利用可能なPDFがある場合には、書誌情報と一緒にダウンロードする機能となりますが、その設定を変更します。
    • Web Importerのアイコンをクリックすると、どの書誌情報を取り込むか選択する画面が表示される → 表示された画面の右下の「・・・」をクリックすると、設定画面が開く → 設定の中の「可能であればPDFを追加」のチェックをはずす。はずした後は、Web Importerのアイコンをクリックすると、どの書誌情報を取り込むか選択する画面が表示される ので、必要な文献を選択してご利用することで、一括ダウンロードを回避できます。

4.東京大学情報倫理ガイドラインの順守

東京大学情報倫理ガイドラインを参考の上、適切な利用を心掛けてください。

5.その他注意事項

 

  • アカウントやID、パスワード管理
    • UTokyo Accountとパスワードは第三者に漏洩しないよう厳重な管理をお願いします。
      また、本サービスをご利用される場合、可能な限りご自身のパソコンからアクセスをお願いします。 ご自身で管理されていないパソコン等から利用した場合、入力したアカウントとパスワード等がパソコン等に残ってしまい、他人に悪用される可能性があります。
      ※お問い合わせ時にも、パスワードは絶対に記載しないでください。

    • UTokyo Accountについては、下記をご確認ください。
      https://utelecon.adm.u-tokyo.ac.jp/utokyo_account/ (uteleconポータルサイト)

    • 特定のデータベースではアクセスにIDとパスワードを用いる場合があります。そのようなIDとパスワードを東京大学構成員以外との共有することは禁止です。また流出しないよう、メモなどの廃棄にも気を配ってください。
       
  • その他の事項
    • お使いのブラウザによっては、一部の電子リソースがご利用いただけない場合があります。
      利用できない場合は、以下をお試しください。

      • データベース一覧や該当の電子リソースのヘルプページで推奨ブラウザやバージョンを確認し、一致するものを利用する。

      • ブラウザのキャッシュをクリアする。

      • 別のブラウザで利用する。

      • データベース一覧などでメンテナンスや不具合の情報が掲載されているか確認する。