震災の翌月18日、いち早く侯爵徳川頼倫から古在総長に寄贈の申出がなされた南葵文庫蔵書 25330部、96101冊。質量ともに本館蔵書の根幹をなすもの。南葵文庫は麻布区飯倉の邸内で、明治後期から大正13年まで一般に公開されていた私立図書館であった。
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紀州徳川家伝来の2万冊を始め、漢学者島田重礼の雙桂楼遺書(この中にはその師海保漁村の自筆本や書入本も含まれる)、依田学海遺書、山井重章旧蔵の漢籍、更には故実家、坂田諸遠、国学者小中村清矩の旧蔵書など、すぐれた収書群からなる。 「紀州國徳川氏圖書記」「舊和歌山徳川氏藏」をはじめとする多くの旧蔵者の蔵書印は,旧南葵文庫職員である平野喜久代氏によって 模刻・押捺され『蔵書印集成 全3巻』(1974)(総合図書館書庫A15:562) に収められている。また、総合図書館1階洋雑誌閲覧室には、徳川慶喜の揮毫になる「南葵文庫」の扁額がある。
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7.『仏果圓悟禅師碧巌録』 8.『朱子語類』 9.『礼記注疏』