じんきょう ようしゅう

5.人鏡陽秋    22巻 14冊


明汪廷訥撰 万暦28年序新都汪廷訥翆環堂刊本
四周単辺 有界 毎半葉9行18字 白口 白魚尾
版心題 人鏡陽秋 魚尾上篇各 魚尾下巻数丁数
翆環堂 内匡郭24、1×15、7糎
 古今の優れた人物の事跡を、忠・孝・節・義の四部に分けて記したもの。書名の人鏡は人の行いの鏡、陽秋は春秋である。すべての人物について、見開きの精緻な図が附せられている。

 汪廷訥は安徽休寧の人。この徽州一帯には、建築や版画などにおける高度な木彫技術が伝わっている。

 また、この土地は、明末から清一代にかけて中国経済を牛耳っていた徽商(新安商人)の出身地でもある。その技術と経済力を背景に、金に糸目をつけずにつくられたのがこの本であるといってよかろう。

 徽派版画の代表作ともいえるものである。

(大木 康)


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