ぐんしょ ちよう

4.羣書治要  50巻 47冊


魏徴等奉勅輯 元和2年銅活字印本 巻第4第1 第20原欠
四周双辺 有界 毎半葉8行17字(注文小字双行)
数丁数 内匡郭21、0×15、5糎

 本書は、唐の太宗の命により、魏徴・蕭(しょう)徳言等が、周易・史記・老子など経・史・子の3部66種の図書から治政の要に関する語を抄録編次したもの。

 貞観5年(631)の成立。中国では宋初に亡び、我が国にのみ存したが(このような書籍を佚存書という)、後に中国へ逆輸出された。

 展示本は、元和2年(1616)、徳川家康がその前年に出版した大蔵一覧集に用いた銅活字を再度度使用して刊行したもので、金地院崇伝と林羅山の2名が実務の監督に当たった。家康は竣工を見ずして没したが、駿府城内三之丸で事業が進められたことから、これを駿河版と呼ぶ。

 後、元和5年に徳川頼宣が紀州藩主となるに際し、本書と大蔵一覧集及び銅活字の全ては和歌山に移さされた。本館所蔵の2本はその一部で徳川家南葵文庫の寄贈に係るが、展示本には「舊和歌山/徳川氏 藏」「紀伊徳川/氏藏板記」「南葵文庫」、もう一本 (A00-6255) には「紀伊徳川/氏藏板記」「南葵文庫」の印記がある。

 尚、本館漢籍所蔵目録の題字は、展示本から集字したものである。

(山本 仁)


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