きんぺいばい

15. 金瓶梅      100回 24冊


明笑笑生撰 清崇経堂刊本
四周単辺 無界 毎半葉11行25字 白口 単魚尾
版心題第一奇書 魚尾下丁数 内匡郭12、2×9、1糎
 『金瓶梅』は明代の長編通俗小説。その性愛描写ゆえに中国好色小説の代名詞とされる。これは、その原作に清の張竹坡が評を加えた本である。

 森鴎外は若き日に向島に住む学海のもとに漢学を習いに通っていた。鴎外の「ヰタ・セクスアリス」には、ある日、先生の机の下から『金瓶梅』が覗いているのを見るという場面がある。これがその本なのであろうか。依田学海の日記『学海日録』明治3年3月18日の条には、「市に出てものをかふ。金瓶梅を得たり」とある。

(大木 康)


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