しゅし ごるい

8.朱子語類    140巻 20冊


宋黎靖徳輯 明拠成化9年三山陳■覆咸淳6年■江郡斎刊本重刊後修
左右双辺 有界 毎半葉14行24字(注文小字双行) 白口 三魚尾
上魚尾下巻数 下魚尾上丁数 内匡郭19、9×14、7糎

 南宋の朱子(諱熹(いみな き)、字(あざな)元晦・仲晦、号晦庵、1130−1200)が弟子達と問答した語を分類した書。初め朱子の語は、それを記録した門人達により各々に保管されていたが、嘉定8年(1215)李道伝が廖(りょう)徳明等の記録を編輯し池州で出版した(池録という)のを契機に咸淳元年(1265)迄の間に、李性伝編の饒(じょう)録・蔡杭編の饒後録・呉堅編の建録の4つの記録者別の語録と、黄士毅編の蜀本・王■(おうひつ)編の徽(き)本の2つ主題別語類が編纂された。

 然しながら、これらの間には異同や重複があり、又翻刻されるに従って誤りが多くなり出したことから、黎靖徳(れいせいとく)が改めて編み直し全体を26門の主題別としたもの。咸淳六年の刊行。本書については、池録が出版された時、朱子の高弟で女婿(せい)でもあった黄■(おうかん)が「記録の語、未だ必ずしも尽く師伝の本旨を得ず」と評したように、自著に比し歴代必ずしも重視されなかっが、晩年の語が多いこと等から、現在では文集や四書集(しつ)注と共に朱子学を理解する上で不可欠の書とされている。

 展示本は明版。本自体として特別の価値を有するものではないが、清初の大学者銭謙益(せんけんえき)の旧蔵書であり、江戸幕府の儒者であった林羅山の朱圈・句読と鵞峰(がほう)の書入れがある。

(山本 仁)


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