ここん れきだい じゅうはち しりゃく

10. 古今歴代十八史畧    2巻首1巻 2冊


元曾先之撰 元勤徳書堂刊本
四周・左右双辺四周単辺不同 有界 毎半葉15行26字 小黒口
双魚尾 版心題史 上魚尾下書名 巻 下魚尾下丁数
内匡郭17、0×11、8糎

 曾先之(そうせんし)(生没年未詳)、字(あざな)は孟参(もうしん)(一説に従野(しょうの))、吉水(一説に廬陵)の人。宋末に生まれ元の中頃、92歳で没した。

 十八史畧は、史記・漢書以下、五代史迄の17の正史と宋代の歴史書の18種を簡略にした編年体の通史で、太古から南宋迄の史実が初学者用に分かり易く記されている。

 展示本は、森立之等の経籍訪古志に著録された元版で、江戸幕府の学校であった昌平坂学問所の旧蔵書。明治になり、島田重礼を経て南葵文庫の有に帰した。

 十八史畧は、明の陳殷が7巻に分けて音釈を附し、更に劉■(えん)が補注を、王逢が点校をして以来、7巻本が通行したが、展示本は2巻でそれらがなく、又、三国時代の正当王朝を7巻本が蜀と変更したのに対して、陳寿の三国志どおり魏としている等、原書の姿を伝えるものと思われる。

(山本 仁)


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