どくしょ もくろく

14. 読書目録   1冊


海保元備編 文政中海保元備鈔本
無辺 無界 行数字数不定 全11丁 書24、1×17、1糎
 第1丁表に文政6年跋文あり。文政4年、江戸に来遊して専ら読書講学を務とし、既に読む所の書等身に近く、又写書をも重んじ、考古證今に足るもの皆手録すという。本書は江戸遊学中の海保氏読書録に当り、その傾向や質・量を窺うに足る資料である。

 第7丁裏には文政7年卒業の記載がある一方、それ以後の記録も見え、実際は7年以後にも及ぶものである。特に百川学海所収本百二点、広百川学海所収本二十六点、続百川学海所収本十八点が注目され、大部な叢書を集中して利用しているのは、跋にいう「生貧乏書」に係わるものか。百川学海系以外の書も合わせて都合約二百点、おおむね五・六年にて読破した見当である。書名は大字、以下に撰述名氏を配し、まま梗概・私感等を付す。

「南葵/文庫」「島田氏双/桂楼収蔵」の印記がある。

(高山 節也)


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