【総合図書館展示】「田中芳男と牧野富太郎」展

田中芳男と牧野富太郎 ー田中芳男文庫・植物資料展ー

  • 日時:2023年5月26日(金)~ 8月22日(火)15時まで
  • 場所:総合図書館 1階 展示スペース
  • 開室時間:総合図書館(本館)と同じ
  • 協力:大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センター(明治新聞雑誌文庫)

【展示概要】

総合図書館には、田中芳男(1838-1916)が幕末から大正期にかけ収集した約6,000冊の資料から成る「田中芳男文庫」があります。博物学、動物学、植物学、農学など多種多様な資料が含まれていることからも分かるように、田中芳男は様々な分野で功績を残した人物です。特に植物学分野では、本草学者の伊藤圭介に師事し、1861(文久元)年には幕府の蕃書取調所物産学出役となり、海外から送られてきた植物類の試験栽培や国内の産物調査を行っています。また林檎や枇杷といった農産物の普及に努めたり、『植学浅解』や『有用植物図説』などの資料も刊行しています。 牧野富太郎(1862-1957)は、言わずと知れた植物学者です。『大日本植物志』や『牧野日本植物図鑑』、『牧野植物学全集』など多数の資料を刊行しており、また本学の植物学教室に在籍するなど東京大学とも縁のある人物です。

この田中と牧野は24歳差がありますが、植物を媒介にした親交がありました。田中芳男文庫の中には牧野富太郎が寄贈した資料もあり、そこからも二人の交流を垣間見ることができます。それらの資料や当時の植物学分野の図書などから、田中と牧野が情熱をそそいだ植物の可愛らしい姿を是非ご覧ください。

※本企画にあたっては、理学系研究科の塚谷裕一教授からご助言をいただきました。ここに感謝の意を表します。


「田中芳男と牧野富太郎」展の主な展示資料

有用植物圖
田中芳男と小野職愨による、明治24(1891)年刊行の『有用植物図説』の試験刷段階のもの。色の付け方や図の描き方を指示する付箋が多く残っています。

 
繇條書屋植物雜識
牧野富太郎直筆と思われる「進田中先生 著者」という書入れと、それを受けての田中芳男による書入れが残る一冊です。

 

牧野新聞
牧野新聞【明治新聞雑誌文庫所蔵】※7/3追記:牧野新聞の展示は終了しました
6月1日~7月2日までの期間限定展示です。牧野富太郎が植物標本の押し葉用に用いた新聞のコレクションで、今回は新聞と押し葉がセットになった額を展示しています。

 

田中芳男文庫・田中芳男博物学コレクションについて

【田中芳男文庫について】

「田中芳男文庫」は、田中芳男(1838-1916)が丹念に収集した約6,000冊の資料群で、本草学、動植物学、農学、水産学等のほか、博物学や博覧会関係の貴重な一次資料から成ります。1931(昭和6)年に、田中芳男の孫である田中美津男男爵によって総合図書館に寄贈されました(約6,000点)。
資料の詳細は、「田中芳男文庫」の紹介ページをご覧ください。
https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/ja/library/general/collectionall/tanakayoshio


【田中芳男博物学コレクションについて】

田中芳男・博物学コレクションは、田中芳男文庫のうちデジタル化した資料を公開するウェブサイトです。
貴重図書に指定されている稀少な資料を中心に、幕末から大正期にかけて田中芳男が熱心に収集した多種多様な資料を順次公開しています。以下のサイトで公開されている画像は自由に利用できますので、どうぞご活用ください。
https://iiif.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/repo/s/tanaka/page/home


関連情報

「田中芳男と牧野富太郎」展に関する問合せ

田中芳男と牧野富太郎