オープンアクセス論文出版支援に関するQ&A

東京大学では複数の学術出版社と、学術誌の「転換契約」を締結しています。転換契約はAPCと購読料を包括的に契約することにより、全体の経費を抑制しつつ、論文のOA化をより推進するものです。

このページでは、転換契約を中心とした、附属図書館のOA論文出版支援について寄せられたご質問とその回答を掲載しています。
※過去の説明会で寄せられた質問を含みます。

【対象について】

Q1-1. OA論文出版支援の対象となる著者および論文の条件を教えてください。

Q1-2. 在籍していることが条件である場合、大学院生の場合、いつまでに論文がアクセプトされている必要があるでしょうか。

Q1-3. 非常勤講師は、責任著者であればOA論文出版支援を受けられますか?

Q1-4. 客員研究員/名誉教授が責任著者である場合も、対象となるでしょうか。

Q1-5. 東京大学特別研究員が責任著者である場合は、対象となるでしょうか。

Q1-6. 責任著者でなく、出版費用を負担する筆頭著者が本学所属の場合は支援を受けることは可能ですか。

Q1-7. 論文上で責任著者が複数いる場合、そのうちの1名であれば資格が認められるでしょうか? あるいは投稿システムを操作する責任著者だけに資格があるのでしょうか。

Q1-8. OA論文出版支援の対象の原則のうち、「東京大学で行われた研究である」ことはどう担保されるのでしょうか。

Q1-9. 論文をOAにするためだけの費用が対象なのでしょうか?例えば、図をカラーにするための費用や規定を超える長さの論文に対する費用はカバーされないのでしょうか?

Q1-10. APCは著者別に按分支払いができる場合がありますが、支援により、東大著者分のみを負担していただくことはできますか?

Q1-11. 対象は自然科学系の論文に限定されるでしょうか。

Q1-12. 対象誌をどのように確認したらよいでしょうか。

Q1-13. Natureブランドは転換契約の対象ですか。また、Nature Communicationsは支援対象ですか。


【申請・承認について】

Q2-1. OA論文出版支援の制度を知らなくても、該当雑誌にアクセプトされた本学所属の責任著者であれば、申請し得るフローになっていますか。

Q2-2. OA論文出版の支援が受けられる出版社のうち、該当雑誌に発表している研究者は、もれなく支援を受けられますか?

Q2-3. 論文投稿時のメールアドレスについて、職員メールやECCSクラウドメールを推奨とされていますが、連絡先として、普段使わないメールアドレスを使うのには抵抗感があります。u-tokyoドメイン以外のメールアドレスで投稿した論文がアクセプトされた場合、OA出版申請可能でしょうか。

Q2-4. 図書館でのOA申請の確認・承認にはどれくらいの時間を要することを見込んでいますか。

Q2-5. OA申請が認められなかった場合、著者がOA出版費用を負担することになるのでしょうか?OA出版を取りやめることは出来るのでしょうか。

Q2-6. 投稿後に本学から異動するなど、申請時に責任著者が本学に在籍せず、OA出版支援申請が非承認となった場合、責任著者を支援の対象となる著者に変更して再申請することはできますか。

Q2-7. 出版社のシステム上での申請の他に図書館に申請が必要でしょうか。


【OA出版可能枠について】

Q3-1. 各出版社のOA出版可能数の残枠を確認する方法はありますか。

Q3-2. 現在の学内の出版数から考えて、出版枠は十分にあるのでしょうか。

Q3-3. OA出版枠のカウントの区切りはいつですか。

Q3-4. ある年の枠が使い切らなかった場合、翌年に繰り越しなどはされるのでしょうか。

Q3-5. OA出版枠は、論文の質によらず、申請順に使われていくと考えてよろしいでしょうか?


【その他】

Q4-1. OA論文出版費用を大学が負担することについて、謝辞に含める必要はありますか?

Q4-2. OA論文出版支援について、問い合わせ先、問い合わせ方法を教えてください。

Q4-3. 過去のOA出版説明会の資料が見たい。

Q4-4. OA論文出版支援に関する学内説明会は今後も開催されるのでしょうか。

Q4-5. 論文に付与するライセンス(CCライセンス)に大学から指定があるでしょうか。


【対象について】

Q1-1. OA論文出版支援の対象となる著者および論文の条件を教えてください。

A1-1. 原則として、支援の対象となる著者および論文は以下となります。ただし、試行期間中の運用状況により今後変更する可能性があります。

  • 東京大学に在籍する研究者であり、当該論文の責任著者(Corresponding Author)であること(参照:Q1-2Q1-3Q1-4
  • 東京大学で行われた研究成果であること(参照:Q1-8
  • 東京大学が所属として論文に記載されていること

その他の条件は「オープンアクセス誌掲載料(APC)の支援・免除・割引について」の各出版社の説明をご確認ください。


Q1-2. 在籍していることが条件である場合、大学院生の場合、いつまでに論文がアクセプトされている必要があるでしょうか。

A1-2. OA論文出版支援を申請する時点で本学に在籍していることが原則になります。教職員の場合も同様に、OA論文出版支援を申請する時点で本学に在籍していることが原則となります。(申請時点で退職している場合、支援対象外の身分になっている場合は支援の対象となりません。)


Q1-3. 非常勤講師は、責任著者であればOA論文出版支援を受けられますか?

A1-3. 非常勤講師の方も、東京大学に在籍しており、東京大学で行われた研究成果の論文の責任著者であり、東京大学が所属として論文に記載されている場合は、支援の対象となります。


Q1-4. 客員研究員/名誉教授が責任著者である場合も、対象となるでしょうか。

A1-4. 客員研究員等、本学で雇用されておらず、他に本務の機関(雇用されている機関等)がある身分の方は、原則として支援の対象外となります。
名誉教授は、本学を継続的な研究活動の場とし、他に本務の機関(雇用されている機関等)がなく、東京大学が所属として論文に記載される場合は、支援の対象となります。


Q1-5. 東京大学特別研究員が責任著者である場合は、対象となるでしょうか。

A1-5. 東京大学特別研究員(日本学術振興会特別研究員(DCを除く)及び外国人特別研究員)については、本学においては2024年度以降に新たに受け入れる場合東京大学特定有期雇用教職員の就業に関する規程第2条第1項第3項に定める特任研究員として雇用することとしております。雇用関係がない場合も、原則として本学で研究に専従しており、東京大学特別研究員受入れ実施要項(平成20年9月19日総長裁定)、 DCや雇用の場合との待遇の均衡等を鑑み、他の条件を満たす場合は支援の対象となります。


Q1-6. 責任著者でなく、出版費用を負担する筆頭著者が本学所属の場合は支援を受けることは可能ですか。

A1-6. 責任著者(Corresponding Author)が東京大学の在籍者である必要があります。


Q1-7. 論文上で責任著者が複数いる場合、そのうちの1名であれば資格が認められるでしょうか? あるいは投稿システムを操作する責任著者だけに資格があるのでしょうか。

A1-7. 投稿システムにもよりますが、多くのシステムでは1名の責任著者を定める必要があり、その責任著者のみが対象となります。例えば、Wiley社では、責任著者が複数いる場合は連絡責任著者(Responsible Corresponding Author)のみが対象となります。


Q1-8. OA論文出版支援の対象の原則のうち、「東京大学で行われた研究である」ことはどう担保されるのでしょうか。

A1-8. 本学で行われた研究であることを厳密に図書館で確認することはできませんが、制度の趣旨を踏まえて、この原則に基づいて申請していただくようお願いしています。


Q1-9. 論文をOAにするためだけの費用が対象なのでしょうか?例えば、図をカラーにするための費用や規定を超える長さの論文に対する費用はカバーされないのでしょうか?

A1-9. 転換契約では、OA論文にするための費用のみが支援の対象となります。


Q1-10. APCは著者別に按分支払いができる場合がありますが、支援により、東大著者分のみを負担していただくことはできますか?

A1-10. APCの著者別按分支払いの制度には対応しておりません。


Q1-11. 対象は自然科学系の論文に限定されるでしょうか。

A1-11. 対象は自然科学系の論文に限定されません。具体的な対象誌は附属図書館ウェブサイトの各出版社の項目に掲載している対象タイトルリストをご確認ください。


Q1-12. 対象誌をどのように確認したらよいでしょうか。

A1-12. 対象誌は各出版社の項目「対象」の「対象タイトルリスト」に掲載しています。こちらに記載のないタイトルは原則として対象誌ではありません。

例:Springerの場合は以下の黄色のハイライトの部分です。
https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/ja/library/contents/inside/apc_details#springer


Q1-13. Natureブランドは転換契約の対象ですか。また、Nature Communicationsは支援対象ですか。

A1-13. Natureブランドのハイブリッドジャーナルは転換契約に含まれていません。また、フルOA誌のNature Communicationsは転換契約の対象外となっています。


【申請・承認について】

Q2-1. OA論文出版支援の制度を知らなくても、該当雑誌にアクセプトされた本学所属の責任著者であれば、申請し得るフローになっていますか。

A2-1. 出版社側のシステムは、所属機関やメールアドレスのドメインで対象機関の著者かどうかを判定しますので、支援の制度を知らなくてもOA出版を申請することが可能です。

ただし、本学のドメイン以外のメールアドレスをご使用の場合などで、出版社のシステムが東京大学の所属と判断しないケースもあります。以下のQ&Aをご参照ください。(参照:Q2-3


Q2-2. OA論文出版の支援が受けられる出版社のうち、該当雑誌に発表している研究者は、もれなく支援を受けられますか?

A2-2. 原則として当該年度の出版枠を超えるまではOA論文出版支援の対象となります。また、責任著者ご自身がOA出版を選択しない場合は支援を受けられません。


Q2-3. 論文投稿時のメールアドレスについて、職員メールやECCSクラウドメールを推奨とされていますが、連絡先として、普段使わないメールアドレスを使うのには抵抗感があります。u-tokyoドメイン以外のメールアドレスで投稿した論文がアクセプトされた場合、OA出版申請可能でしょうか。

A2-3. u-tokyoドメイン以外のメールアドレスでも、申請自体は可能です。ただ、出版社によっては、部局が発行しているメールアドレスのドメインや、本学のドメイン以外のメールアドレスでは東京大学の所属者と判断しない場合があり、結果として支援ができなくなってしまう可能性があります。このため、職員メールやECCSクラウドメールにて投稿いただくことを推奨しております。また、申請を行えた場合でも、附属図書館で在籍が確認できない場合は申請の承認が行えない場合があります。申請時のメールアドレスについて、職員名簿や図書館システムで確認できるようご登録をお願いいたします。


Q2-4. 図書館でのOA申請の確認・承認にはどれくらいの時間を要することを見込んでいますか。

A2-4. 出版申請後、原則として1週間(5営業日)以内に承認手続きを行う予定です。ただし、本学の在籍確認が難しい場合には、それよりも時間がかかる可能性があります。


Q2-5. OA申請が認められなかった場合、著者がOA出版費用を負担することになるのでしょうか?OA出版を取りやめることは出来るのでしょうか。

A2-5. 本学の出版可能枠を使い切っている場合や、出版社との契約条件に照らしてOA論文出版支援の対象と認められない場合は、原則として以下の選択をしていただくこととなります。

<ハイブリッドOA誌の場合>

著者ご自身でオープンアクセス費用を負担してOA論文として出版するか、OA論文とはせず、従来の、購読している機関のみが閲覧できる形で出版するか、どちらかを選択していただくこととなります。

<フルOA誌の場合>

著者ご自身でオープンアクセス費用を負担して出版していただくこととなります。


Q2-6. 投稿後に本学から異動するなど、申請時に責任著者が本学に在籍せず、OA出版支援申請が非承認となった場合、責任著者を支援の対象となる著者に変更して再申請することはできますか。

A2-6. 出版社が認めれば責任著者を変更して再申請すること自体は可能ですが、分野における責任著者の考え方や共著者間の役割分担を鑑み、「不適切なオーサーシップ」に基づいた論文投稿、論文出版とならないようご注意ください。
参考:研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン(平成26年8月26日文部科学大臣決定)


Q2-7. 出版社のシステム上での申請の他に図書館に申請が必要でしょうか。

A2-7. 出版社のシステム上で適切に申請が行えていれば、図書館に通知メールが届きます。別途図書館への直接の申請やご連絡は不要です。
ただし、速やかな在籍確認のため、職員名簿やMyOPACへ投稿に使用したメールアドレスの登録をお願いいたします。
もしも出版社の手続きガイドと異なる案内が表示された場合やその他ご不安な場合は、図書館にお問い合わせください。


【OA出版可能枠】

Q3-1. 各出版社のOA出版可能数の残枠を確認する方法はありますか。

A3-1. 「オープンアクセス誌掲載料(APC)の支援・免除・割引について(学内限定情報)」で確認することができます。

なお、OA出版可能数が無制限の出版社もありますので、以下のページもあわせてご確認ください。

オープンアクセス誌掲載料(APC)の支援・免除・割引について


Q3-2. 現在の学内の出版数から考えて、出版枠は十分にあるのでしょうか。

A3-2. 最大限の支援をするため出版枠の確保に努めているところですが、予算の制約もあり、出版社によっては契約期間の終了を待たずに出版枠がなくなってしまうことがあります。十分な出版枠を確保できず大変心苦しいですが、ご理解のほど、どうぞよろしくお願いいたします。


Q3-3. OA出版枠のカウントの区切りはいつですか。

A3-3. OA出版枠の使用の区切りは出版社との契約に基づきます。 有効期間は案内ページの各出版社の説明をご確認ください。

案内ページ

オープンアクセス誌掲載料(APC)の支援・免除・割引について

オープンアクセス誌掲載料(APC)の支援・免除・割引について(学内限定情報)


Q3-4. ある年の枠が使い切らなかった場合、翌年に繰り越しなどはされるのでしょうか。

A3-4. 原則として繰越はできない契約となっています。一定の条件のもと繰越ができる出版社もあります。


Q3-5. OA出版枠は、論文の質によらず、申請順に使われていくと考えてよろしいでしょうか?

A3-5. OA論文の出版枠は、論文アクセプト後の申請順に使用されます。


【その他】

Q4-1. OA論文出版費用を大学が負担することについて、謝辞に含める必要はありますか?

A4-1. 謝辞を含めることを必須とはしておりません。

なお、Springer Nature社の場合、Funding Noteに、以下がシステム的に自動に追記されることとなっておりますのでご承知おきください。

Open access funding provided by University of Tokyo.


Q4-2. OA論文出版支援について、問い合わせ先、問い合わせ方法を教えてください。

A4-2. こちらに掲載しています。

オープンアクセス誌掲載料(APC)の支援・免除・割引について お問い合わせ先


Q4-3. 過去のOA出版説明会の資料が見たい。

A4-3. こちらに掲載しています。

【2025年5月21日(水)開催分】資料

【2024年12月19日(木)開催分】資料

【2024年5月15日(水)開催分】資料

【2024年3月13日(水)開催分】資料


Q4-4. OA論文出版支援に関する学内説明会は今後も開催されるのでしょうか。

A4-4. 今後も最新情報を交えて随時実施予定です。
最新の開催情報:
【2025年12月16日開催】「学術論文等の即時オープンアクセス義務化と附属図書館による支援」説明会


Q4-5. 論文に付与するライセンス(CCライセンス)に大学から指定があるでしょうか。

A4-5. 大学からのライセンスの指示はありません。
オープンアクセスの趣旨に照らしますとCC BY 4.0が好ましいとされていますが、CC BY 4.0などのCCライセンス(クリエイティブ・コモンズ・ライセンス)は一度選択すると取消できませんので、共著者等ともご相談いただき、 論文や図表等の再利用について何か制限をかけたい場合はその他のライセンスをご選択ください。

参考:「Open Scienceの歩き方」 第5回「学術論文と研究データにまつわる権利―著作権とCCライセンス―」

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