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25 「フランスの皇帝ナポレオンのミラノ到着を記念して」  1807年 (ボドーニ印刷)
25 A NAPOLEONE IL GRANDE IMPERATORE DE'FRANCESI E RE D'ITALIA PEL SUO ARRIVO IN MILANO NEL NOVEMBRE DEL 1807. PARMA CO' TIPI BODONIANIMDCCCVII [イタリアから寄贈]

 ボドーニ(書体)で印刷。この書体はボドーニ(Giambattista Bodoni, 1740-1813)が考案したローマン(体)の活字書体の1種類。彼はバチカンの教皇庁布教聖省で修行し、後にパルマの領主フェルディナンド侯爵が設立した「王立印刷所」の専任印刷者を勤めた人物。書体の筆線はしっかりと太い縦線とあくまで細い横線とがみごとに調和し、現在の「モダン・フェース」という活字書体の源流の一つ。『赤と黒』などで知られている十九世紀フランスの作家スタンダールが既に出版されていた「ŒUVRES DE BOILEAU DESPREAUX のBOILEAU DESPREAUXの部分をボドーニの大文字活字で印刷してほしかった」と夢想したほどの見事な書体。まさにオリジナルのボドーニの雄姿。左ページは囲み飾りだけで、中は空白だが、彼は印刷ページとして扱っている。本は見開きの両面ページによって印刷ページの良し悪しを判断し、1ページ(片面ページ)だけで判断しない、という原則を例示。(髙野 彰)

26 「指揮者ナポレオン大王によるアウステルリッツの名高い勝利を記念して」 1806年 (ボドーニ印刷)
26 IN CELEBERRIMAM VICTORIAM AUSTERLITII RELATAM A GALLIS DUCE NAPOLEONE MAXIMO; ODE ALCAICA PLACIDI TADINI. PARMAE TIPIS BODONIANIS, MDCCCVI [イタリアから寄贈]

 ボドーニ(書体)で印刷。ボドーニはパルマ公の印刷師兼、当時台頭したナポレオン・ボナパルトの公式印刷師。この本と第25番はいずれも4行詩の形式を取りながら、4行の並べ方は異なっている。韻文印刷は印刷者の腕の見せどころ。

タディーニ(Placidi Tadini)はナポレオンの崇拝者らしく、機会のあるごとに、ナポレオンに寄せる賦をうたう。この賦もロシアおよびオーストリア皇帝の両軍との戦い(三帝戦争)に勝利を収めたナポレオンを祝している。

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