学生スタッフが電子ブックを使ってみた!(2021春 学部生編)

理学部の学生が、本学で契約している電子ブックを利用して、実際に使ってみた感想や便利な機能を紹介します。
まだ電子ブックを利用したことがないなんてもったいない!?
紹介文を参考に、次はあなたも新しい世界に飛び込んでみましょう!

Yes, we can1

本学では沢山の電子ブックを契約しています。電子ブックの利用方法や主な電子ブックの詳細はこちらから。
2021年春に実施した学生スタッフによる図書紹介でも、電子ブックで閲覧できる資料が紹介されています。詳細はこちらから。

目次


教科書をダウンロードしてさくっと管理

    天文学科4年生の場合

 私は元々「電子書籍よりも紙書籍が好き!」という立場で、前期課程(大学1~2年)ではあまり利用していなかったのですが、

 ・本が重くて運搬するのに肩が凝る⇒電子書籍なら持ち運びが楽
 ・管理すべき論文や書籍が多くなってきた⇒電子書籍なら手軽に整理できる

等の理由から後期課程(大学3~4年)では電子書籍も良く使うようになりました。

 コロナ禍のオンライン授業にて自宅にいることが増える中、私はSpringerLink (https://link.springer.com/)を自宅からSSL-VPN Gatewayサービス(https://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gacos/faq/gakugai.html)にて現在利用しています。SpringerLinkでは、自然科学人文科学についての電子ブックが全文アクセス&ダウンロードが出来ます。私は主に天体物理学の教科書をダウンロードし、自宅や電車内などで読んでいます。

 電子ブックを使うデバイスについてですが、iPadなら縦長の画面なので、PCで電子ブックを見るよりも本に近い形で読むことが出来ます。また、読書アプリなどを用いれば書き込みや栞、拡大なども容易にできるためオススメです。iPadでは選択した単語を辞書検索する機能やブラウザで検索する機能が標準で備わっているため、わからない単語を調べる手間も少なく専門書や洋書を読む時にも非常に便利です。

 電子ブックを用いる利点は冊子体では躊躇してしまうメモなどの書き込みが気軽に出来る点にあると思います。書き間違えたりメモで埋まってしまったりした時のショックを考えてしまうため、私はあまり冊子体にメモをしません。一方で、電子ブックではメモの修正が出来るので、例えばゼミの資料を作る時や文章の要約をする時に便利です。

 他にも、SpringerLinkの配布しているテキストでは参考文献・図・数式のリンクが完備されています。例を挙げると、「according to Hogehoge (2021)」「as shown in Fig 26.4」「with equation (3.34)」というような文章のリンクを踏むと該当部分に飛んでくれる、という訳です。これは冊子体でも同様に参照することが出来ますが、該当部分が何処か探す手間が無いので電子ブックがより優れている部分とも言えます。ただし、冊子体と違い、何も考えずに飛ぶと元の箇所に戻れないので栞機能などを使って戻る、などの工夫が必要です。

 良く言われている「かさばらない」というメリット以外にも、上記のような特徴が電子ブックにあります。是非試してみてはいかがでしょうか。

(利用した端末:iPad Pro (11 inch)、ノートパソコン)
(利用した場所:自宅、電車内)

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本棚も持ち歩けます(イメージです)

   物理学科4年生の場合

 電子ブックの利点としてしばしば挙げられるように、携帯性は電子ブックの大きなメリットです。高々1 kgの端末一台に膨大な書籍のデータを入れる事が出来ます。まさに本棚を持ち歩いているようなものです。

私が思う電子ブック(特に洋書pdf)の一番のメリットは、文面内の検索が出来ることです。理学書を読んでいると、久々に登場した用語の定義を確認したいという事がしばしばあります。このときに検索boxに用語を入力するだけで定義の書いてあるページにすぐにジャンプすることが出来るのがとても便利です。一方で、冊子体の本では一度索引で用語を探してから確認することになります。索引に載っていればよいのですが、索引には掲載されていない語も多く確認に時間がかかります。このように検索がすぐに出来る事は電子ブックならではの利点であると言えます。

また、図書館の電子ブックサービスを利用すれば多くの書籍のデータを無料で手に入れることが出来ることも学生には嬉しい点です。私は主にSpringer linksを利用していますが、紙媒体では1万円以上する本でも無料で高品質なpdfを手に入れられるので、気軽に勉強を進める事が出来ます。

これは人によりますが、冊子体に比べて雨などの水濡れに強いことも電子ブックの利点です。私は家が駅から遠いためにそれなりの距離を歩くので、雨が降ると鞄が大抵濡れてしまいます。その対策として本を持ち歩いているときは鞄にレインカバーをつけたりしていますが、これが結構面倒なのです。しかし、タブレット端末であれば鞄が湿る程度なら大丈夫なのでそこまで気を遣わずに済むのが嬉しいです。

(利用した端末:12.9インチ iPad)
(利用した場所:自宅、理学図書館閲覧室、電車の中 等)

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電子ブックならかりられる♪読み込める♪

    生物化学科4年生の場合①

 講義の教科書・参考書の中には、学生では簡単には手を出しにくい額のものもあります。一方、図書館で借りるとなると予約待ちになってしまったり、借りられたとしても期限がついてしまったりといった不自由が生じてしまいます。特に、広範囲を網羅するタイプの教科書の場合は、ページ数も多いため気軽に持ち歩くこともできず、十分に読み込めないまま返却しなければならないといった経験をしたことのある方も少なくないと思います。

 その点、電子ブックであれば、学内外を問わず好きなタイミングで閲覧できます。授業中に参照したり、試験前に復習したりといった作業も、紙の本より簡単です。紙だと分厚い場合でも、端末で扱えればかさばらないですし、単語検索機能を使うことで読みたい箇所にすぐに行き着くことができます。

 一方で、いくら電子デバイスが便利とはいえ、紙でないと勉強しにくいという方も一定数いると思います。私自身も、紙の本にマーカーや付箋をする勉強法がメインで、自由に書き込みもできない電子機器での勉強は敬遠していました。ですが、研究活動が本格化して論文などを多く読むようになってくると、論文を逐一印刷するのもキリがないため、端末上で付箋も書き込みもなしで噛み砕いて理解する力が求められます。このようにいずれは電子機器を用いた勉強にシフトすることは避けられない中で、研究室配属後に一気にシフトチェンジするよりも、少しずつ慣らしていく形でスムーズに移行できる方がいい気がします。その一環として、まずは電子ブックで慣れるのがおすすめです。

 電子ブックのリストは理学図書館のHPからご確認いただけます(https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/ja/library/science/user-guide/campus/remo…)。教科書・参考書の一部だけでなく、Springer社のコレクションなども利用可能です。蔵書の充実度は分野によってばらつきがありますが、どの分野も少しずつ増えていますし、英語の本も日本語の本もあり、様々な学生のニーズに応えられると思います。さらに、東大の他部局で購入されたものでも利用できますので、上記のリストの中にめぼしい本がなくても、「E-journal & E-book Portal」でキーワードを検索にかければ、自分の興味や研究に合ったものが見つかるはずです。

(利用した端末:12インチディスプレイ ノートパソコン、タブレット)
(利用した場所:自宅、理学図書館、その他学外の図書館など)

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書き込みも拡大も自由自在!

    生物化学科4年生の場合②

「電子ブック」というと、何となく読みづらそうなイメージがあり、普段利用されていない方も多いのではないでしょうか?私自身紙の本には非常に愛着があり、普段図書館では紙媒体の書籍を借りていたのですが、今回初めて図書館の電子ブックを利用し、電子ならではの、想像以上の便利さに気がつくことができました。

 まず、本やジャーナルを読む前に、貸し出しの際の利便性が高いのは電子ブックの大きな特徴の一つです。いつでもどこからでも、何人でもアクセスできるため、実際に図書館を訪れたり、貸し出し中の本が返却されるのを待ったりする必要がありません。またキーワード検索などを利用すれば、全ての蔵書の中から欲しい本を一瞬で探して入手できるため、書籍を探す手間がほとんどかからないのも大きな利点です。私も今回、キーワードや分野別の検索で自分の専門分野に検索範囲を絞ることで、興味深そうな本を素早く探し、すぐに読むことができました。

 さらに、実際に電子ブックを読んでみると、よく言われるように場所を取らず、持ち運びが便利、というだけでなく、読みやすさや情報利用の点でも予想以上に使いやすいことがわかりました。

 例えば、ダウンロードした書籍の中で単語検索機能やリンクを使えば、関連する情報を、本の中や他のソースから素早く探すことができます。分厚い本でも、知りたい項目に関連するページを漏れなく簡単に拾うことができますし、またマークアップツールを使えば、ハイライトや下線を入れることもできます。これは従来の紙媒体の蔵書ではできなかった使い方ですが、効率的な情報の収集や利用に非常に役立ちます。電子ブックでは図や細かい説明も拡大できるため、意外と紙媒体以上に読みやすい場面もありました。勉強の際に印をつけたくても図書館の本には書き込みができなかったり、論文中の小さなグラフや説明が読み難かったり、といった不便さがないのは、読み進める上でとても快適に感じます。

 電子ブックというと、「便利だけれど、紙の本より読みにくい」という印象が強く、私自身もそう考えていましたが、今回実際に利用してみて、そういったイメージが大きく変わりました。研究や勉強のために効率よく情報収集する必要がある際はもちろん、図版が多い書籍やボリュームがある本など、普段の読書で少し専門的な本を読んでみたいという場合にも、電子ブックは非常に便利だと思います。まだ利用したことがない方も、次回の図書館利用の際にはぜひ使ってみてはいかがでしょうか。

(利用した端末:ノートパソコン)
(利用した場所:自宅)

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2021年春 学部生編 電子ブックで効率UP!!