館長挨拶

柏図書館長 就任のご挨拶(本田利器 館長)


本田利器館長

2024年4月1日付けで東京大学柏図書館長を拝命いたしました本田利器と申します。

柏図書館は、ガラス張りの外観が美しく,特に、夜に映える印象的な建物です。もちろん、自動書庫で40万冊の学術雑誌が保管されているなど、東京大学の持つ知の担い手として、図書館の本来の役割も重要です。柏図書館の運営に関して、私にできることは微々たるものですが、お手伝いをさせていただけることを光栄に思っています。

新型コロナの影響で制限されていたさまざまな活動がもどりましたが、オンラインでの打ち合わせがごく普通のこととなるなど、人々の行動はずいぶんと変わりました。電子書籍が普及し、学術論文もオンラインアクセスが主流となって、図書館に足を運ぶ機会は減ったと感じます。そのような状況のなか、図書館としては、新しいサービスとして、オンライン学習用のスピーキングブースや学術リテラシー情報を投影する館内モニタを設置するなどの新しい取り組みもなされています。

その一方で、従来とは異なる新しい魅力を模索する必要があるとも感じています。実際に来館するだけでなく,オンラインでの利用も今後ますます重要になると思います。情報発信の拠点としても、学術成果をオープンアクセスで公開するUTokyo Repository のような仕組みなど、オンライン利用を前提とした在り方も考えられています。柏キャンパスにある図書館として何が求められるのかは難しい問題ですが、仮想化された情報が飛び交う世界においても、現実世界の存在として、また、仮想と現実をつなぐ場所としての意味はあると思います。

柏図書館の役割には、地域とのつながりを担うということもあります。地元の方にもご利用いただいているのはもちろんですが、膨大な自然科学系学術雑誌コレクションを活かして国内外から図書館相互利用や参考調査を受け付けるなど、より大きなネットワークの構築にも寄与しています。学内外の様々なつながりを支えるという役割もますます充実していくと期待しています。

柏図書館に期待していることは多々ありますが、いずれも新しい社会のニーズを踏まえ、新しい試みをしてこそ実現されるものだと思います。2017年に図書館長になられた大先輩の味埜俊先生も書かれていたように、「未来を先取りする図書館」になれるように、皆さんと一緒に考えていきたいと考えております。ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 

2024年4月

柏図書館長 本田 利器(新領域創成科学研究科 教授)


 

柏図書館長 退任のご挨拶(大島義人 館長)


大島館長

2024年3月末をもって柏図書館長を退任いたしました。

柏キャンパスに所属する教職員・学生、柏図書館友の会の会員、柏図書館の職員のみなさまから在職中にいただいたご理解・ご協力に心より感謝致します。

私が柏図書館長に着任した2020年は、まさにコロナ禍の始まりの時期でした。着任時のご挨拶に「地域に開かれた図書館」「柏キャンパスの人と情報が集まる学術知のシンボル」を目指すと書かせて頂きましたが、人の集まりに制限がかかる時間が想定以上に長く続いてしまい、描く姿とはほど遠い形で職を退くことになってしまったことは大変残念に思っています。ただ、そのような状況の中でも、感染拡大防止対策の徹底やオンラインの活用、参加人数の制限といった様々な工夫をしながら、開館業務を継続し、またわくわくミニコンサート、サイエンスカフェなどの恒例行事も開催させて頂くなど、最低限の役目を果たしてバトンタッチできることに安堵しております。これらはいずれも、図書館の利用者、関係者、友の会の皆様のご理解とご協力があったからこそと、あらためて感謝申し上げます。

コロナ禍も落ち着き、新しく着任された本田利器館長のもと、柏図書館が益々発展されることを心から願っています。4年間、どうもありがとうございました。

 

2024年3月

柏図書館長 大島 義人(新領域創成科学研究科 教授)


 

柏図書館長 就任のご挨拶(大島義人 館長)


大島館長

2020年4月1日付けで東京大学柏図書館長を拝命しました大島義人です。

柏キャンパスのシンボル的な存在として重要な役割を担う柏図書館の館長という重責を拝命し、大役に身の引き締まる思いでおります。柏キャンパスに着任以来、様々なシーンで柏図書館を利用させて頂いておりましたので、少しでも恩返しができる機会が与えられたことを光栄に思っております。微力ではありますが、柏図書館を利用する皆様やスタッフのお力を借りながら、精一杯務めて参りたいと思います。

さて柏図書館は、2005年の開館以来、東京大学附属図書館の柏キャンパスにおける拠点図書館として発展を続けて参りました。図書館としての最も重要な機能である学術資料の保存書庫としては、総合図書館(本郷キャンパス)、駒場図書館(駒場キャンパス)と連携しながら、特に自然科学系学術雑誌のバックナンバーを柏図書館に集約するという方針のもと、最大約100万冊を収容可能な自動書庫等を含めて現在約45万冊の学術雑誌等を保管しており、学内他図書館・室の狭隘化解消の一助も担っています。昨今の電子ジャーナル化の流れで、冊子体としての雑誌を直接閲覧する機会はすっかり減りましたが、人類の学術知を有形な記録として集積し、確実に保管・活用する情報ハブとしての役割は、時代の流れに左右されず、図書館が果たすべき重要な機能であると考えています。

柏図書館には従来の図書館機能スペースの他、ホールやセミナー室、サロンなどの研究・交流スペースが設けられており、学会やセミナー等を通じて学内外の研究者に利用されています。また、新領域創成科学研究科のホームライブラリとして講義に使う図書の収集・提供、学位論文の収集・公表なども行っています。このように、大学の研究教育活動をハード・ソフト両面から支援していくことは、大学の図書館ならではの重要な役割であると考えており、引き続き充実させていきたいと考えております。

一方、地域に開かれた図書館を目指している点も、柏図書館の大きな特徴です。これまで、音楽コンサートや映画上映会、サイエンスカフェなどのイベント主催を通じて、柏図書館友の会会員の皆様をはじめ、地域の方々との交流を深めて参りました。地域連携は柏キャンパスのキーワードの一つでもあり、様々な文化事業を通して、地域とのつながりの活性化を目指して参ります。

2019年度の耐震工事も無事に修了し、柏図書館はまた新たな気持ちでスタートを切ることになりました。これからも、本学附属図書館の柏キャンパスにおける拠点図書館として、また柏キャンパスの「人」と「情報」が集まる学術知のシンボルとして、そして本学と地域をつなぐ架け橋として、さらなる充実を図っていきたいと考えております。皆様のご支援を賜りますよう、よろしくお願い致します。

 

2020年4月

柏図書館長 大島 義人(新領域創成科学研究科 教授)