館長挨拶

柏図書館長 就任のご挨拶(大島義人 館長)


大島館長

2020年4月1日付けで東京大学柏図書館長を拝命しました大島義人です。

柏キャンパスのシンボル的な存在として重要な役割を担う柏図書館の館長という重責を拝命し、大役に身の引き締まる思いでおります。柏キャンパスに着任以来、様々なシーンで柏図書館を利用させて頂いておりましたので、少しでも恩返しができる機会が与えられたことを光栄に思っております。微力ではありますが、柏図書館を利用する皆様やスタッフのお力を借りながら、精一杯務めて参りたいと思います。

さて柏図書館は、2005年の開館以来、東京大学附属図書館の柏キャンパスにおける拠点図書館として発展を続けて参りました。図書館としての最も重要な機能である学術資料の保存書庫としては、総合図書館(本郷キャンパス)、駒場図書館(駒場キャンパス)と連携しながら、特に自然科学系学術雑誌のバックナンバーを柏図書館に集約するという方針のもと、最大約100万冊を収容可能な自動書庫等を含めて現在約45万冊の学術雑誌等を保管しており、学内他図書館・室の狭隘化解消の一助も担っています。昨今の電子ジャーナル化の流れで、冊子体としての雑誌を直接閲覧する機会はすっかり減りましたが、人類の学術知を有形な記録として集積し、確実に保管・活用する情報ハブとしての役割は、時代の流れに左右されず、図書館が果たすべき重要な機能であると考えています。

柏図書館には従来の図書館機能スペースの他、ホールやセミナー室、サロンなどの研究・交流スペースが設けられており、学会やセミナー等を通じて学内外の研究者に利用されています。また、新領域創成科学研究科のホームライブラリとして講義に使う図書の収集・提供、学位論文の収集・公表なども行っています。このように、大学の研究教育活動をハード・ソフト両面から支援していくことは、大学の図書館ならではの重要な役割であると考えており、引き続き充実させていきたいと考えております。

一方、地域に開かれた図書館を目指している点も、柏図書館の大きな特徴です。これまで、音楽コンサートや映画上映会、サイエンスカフェなどのイベント主催を通じて、柏図書館友の会会員の皆様をはじめ、地域の方々との交流を深めて参りました。地域連携は柏キャンパスのキーワードの一つでもあり、様々な文化事業を通して、地域とのつながりの活性化を目指して参ります。

2019年度の耐震工事も無事に修了し、柏図書館はまた新たな気持ちでスタートを切ることになりました。これからも、本学附属図書館の柏キャンパスにおける拠点図書館として、また柏キャンパスの「人」と「情報」が集まる学術知のシンボルとして、そして本学と地域をつなぐ架け橋として、さらなる充実を図っていきたいと考えております。皆様のご支援を賜りますよう、よろしくお願い致します。

 

2020年4月

柏図書館長 大島 義人(新領域創成科学研究科 教授)


 

柏図書館長 退任のご挨拶(味埜俊 前館長)


味埜前館長

20203月末をもって柏図書館長を退任いたしました。

柏キャンパスに所属する教職員・学生、柏図書館友の会の会員、柏図書館の職員のみなさまから在職中にいただいたご理解・ご協力に心より感謝致します。

着任の時のご挨拶に「未来を先取りする図書館になれるように考えていきたい」と書きました。私の在任した3年間に、柏図書館の新しい未来が拓けたとはとても言えませんが、柏図書館のインフラの将来のあり方やキャンパス内の部局(とくに柏図書館が部局図書館としての機能を担う新領域創成科学研究科)との連携についてその地盤作りをさせていただきました。また、わくわくミニコンサート、サイエンスカフェ、ビブリオバトルなどのイベントでは、私自身が楽しませていただいたと同時に多くの勉強もさせていただきました。

新しく着任された大島義人館長のもと、柏図書館がこれからも益々発展されることを心から願っています。3年間、どうもありがとうございました。

 

20203

前柏図書館長 味埜 俊(新領域創成科学研究科 教授)


 

柏図書館長 就任のご挨拶(味埜俊 前館長)


味埜図書館長

はじめに

2017年4月1日付けで東京大学柏図書館長を拝命しました味埜俊です。3月31日までは、同じ東京大学柏キャンパスに位置する大学院新領域創成科学研究科で研究科長を務めていました。私自身の専門は工学でしたが、その後、人類のサステイナビリティに関わることなどいわゆる文理融合の境界線上を歩きつつ今日に至っています。これまで図書行政に関わったことはなく、私にとって初めての領域での仕事と言うことになりますが、精一杯務めたいと思います。

柏図書館の役割

柏図書館の果たすべき役割は、これまで同様、下記であると考えています。

  1. 東京大学附属図書館の柏キャンパスの拠点図書館としての、総合図書館@本郷キャンパス、駒場図書館@駒場キャンパスと連携した全学に対する役割
  2. 新領域創成科学研究科のホームライブラリとしての役割
  3. 柏キャンパスが目指す国際キャンパスを支える役割
  4. 柏キャンパスの周辺地域連携の拠点としての役割

開館12年を迎えた柏図書館

柏図書館は2005年の開館以来、歴代館長先生のもとで発展を続けてまいりました。

雨宮前館長から引き継いだ重要な課題に自動化書庫の増設があります。IT技術の発展が情報の利用の仕方、さらにその意味にまでも影響を与え、これまで情報集積の場であった図書館の役割も大きく変わってきました。図書館は少なくとも百年単位の時間スケールで人類に有効・有益な情報を集積し活用する情報ハブとしての役割を果たしていく必要があります。そのような状況の中で、図書館に対する多様な要請を満たすためのハードウェアとして自動化書庫があり、その増設は急務と考えています。

一方、柏図書館は地域に開かれた図書館を目指しており、近隣の市民の方々との交流の場として「柏図書館友の会」を作り、書籍の貸し出しに留まらず映画上映会やコンサート開催などの催しも続けてきています。

新しい未来を先取りする柏図書館に

柏キャンパスは今、大きく変わりつつあります。五神総長が打ち出した「筑波-柏-本郷イノベーションコリドー構想」のもとで新しい形の産官学民連携が進んでおり、柏地区はその中核を担います。一方で、貴重な資料をアーカイブ化して残していくという東京大学ならではの事業も全学的に進んでいます。図書館の機能や地域とのつながり方も時代に応じて代わっていかなくてはなりません。これらの変化をしっかり見据えつつ、未来を先取りする図書館になれるように、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

2017年4月

前柏図書館長 味埜 俊(新領域創成科学研究科 教授)