附属図書館特別展示の藤井総長観覧、苅部直教授による特別講演会の開催報告について
東京大学附属図書館では、令和7年度附属図書館特別展示「東大総長 南原繁 ~その横顔とともに~」を開催しています。戦後80年を迎える本年、戦後初の東大総長である南原繁(なんばら・しげる, 明治22(1889)-昭和49(1974), 昭和20(1945)年12月に第15代総長に就任)に焦点を当てた展示会です。会場では様々な資料から、法学部教員時代や総長就任時の南原の足跡をたどると共に、東京大学から見た終戦とその後を振り返る構成になっています。また、文書館との連携やご遺族からのご厚意により、幼少期やプライベートな時間を過ごす南原の写真なども紹介しています。
10月22日(水)には藤井輝夫総長が展示会場を訪れました。会場では、本展示の監修を担当した法学部の苅部直教授(附属図書館副館長)の解説のもと、南原繁の著書をはじめ南原直筆の原稿用紙やノート、様々な写真などを鑑賞されました。さらに坂井修一附属図書館長の案内により、歌人でもある南原繁の自作短歌、直筆色紙などを鑑賞し、短歌についての歓談も行われました。
続く10月24日(金)には、苅部教授による特別講演「東京大学の百五十年と南原繁」が開催されました。本講演会は別館ライブラリープラザを会場に、オンライン配信も併用するかたちで開催され、会場には約50人、オンラインでは約70人の参加があるなど、南原繁への関心の高さがうかがえました。苅部教授からは、南原の著書にある言葉をひきながら、戦中から戦後にかけての南原の思想や国家観、大学の自由と自治との関わりなどが語られ、激動の時代にあって南原が果たした役割を改めて認識する講演会となりました。最後に、坂井修一附属図書館長から、本展示でも紹介している南原自作短歌の解説がありました。
この展示会は11月26日(水)まで開催しています。ぜひ会期中に図書館へお越しください。
・附属図書館特別展示「東大総長 南原繁」について