2022年11月11日

11月28日まで開催中の附属図書館特別展示「テエベス百門の断面図――歿後100年記念 森鷗外旧蔵書展」の会期中、会場(総合図書館1階オープンエリア モニター前スペース)にて、関連展示「木下杢太郎の見たテエベス」を開催します。

特別展示のタイトル「テエベス百門の断面図」は、本学医学部教授でもあった詩人の木下杢太郎(本名:太田正雄)が、敬意をこめて森鷗外を「テエベス百門の大都」と呼んだことにちなみます。なぜ、杢太郎は、鷗外の学問と知識、仕事の幅広さを、古代エジプトの都テエベスになぞらえたのでしょうか。現地をたびたび訪れている、アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門(U-PARL)副部門長の永井正勝特任准教授の解説と、自ら撮影された写真から、杢太郎の見たテエベスに思いをはせてみてください。杢太郎にとって、鷗外がどういう存在だったかを感じていただければ幸いです。

カルナク神殿の通用門
     カルナク神殿の通用門

ナイル川より東岸のルクソール神殿を仰ぐ
ナイル川より東岸のルクソール神殿を仰ぐ

 

【永井 正勝 特任准教授・略歴】
東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門(U-PARL)副部門長・特任准教授。同志社大学文学部卒業。慶應義塾大学大学院文学研究科前期博士課程史学専攻修了。筑波大学大学院人文社会科学研究科文芸・言語専攻修了。博士(言語学)。

文献言語学の分野では、エジプト語資料の古書体分析ならびに一般文字論の構築を目指している。人文情報学の分野では、アノテーション付与型画像データベースの構築を行っている。著書に『必携入門ヒエログリフ : 基礎から学ぶ古代エジプト語』(アケト)、『西アジア文明学への招待』(悠書館)、『世界の文字の物語 : ユーラシア文字のかたち』(古代オリエント博物館, 大阪府立弥生文化博物館)がある。