学内研究者のオープンアクセス(以下OA)に関する認識の把握および論文等のOA化に関する状況の調査を行い今後のOA支援の向上に役立てるとともに、回答の過程で即時OA義務化および附属図書館が実施しているOA支援について知っていただくことを目的としてアンケートを実施し、27部局403名からの回答を得た。
回答数が少数のため、これをもって東京大学全体の傾向を示すものではない。

 

〇概要

即時OA義務化の認知度について

科研費を含む一部の外部資金について、2025年度新規公募分から、成果論文および根拠データを即時にオープンアクセスとして公開することが義務化されます。このことをご存知ですか?

 

転換契約の認知度について

東京大学の転換契約(注1)によるオープンアクセス出版支援(契約している出版社について、APCのご負担なく(注2)オープンアクセス出版が可能)をご存じでしたか?
(注1)学術雑誌の購読費用を段階的に論文出版費用に転換させることを目指す契約
(注2)2023-2025年までの試行期間の扱い

転換契約については利用したことがあるまたは知っているという回答が80%近くに及んでいる。

 

UTokyo Repositoryの認知度について

東京大学では東京大学学術機関リポジトリ(UTokyo Repository)でオープンアクセス化が可能なことをご存じでしたか?

即時OA義務化で活用が期待される東京大学学術機関リポジトリ(UTokyo Repository)については、実際にOA化した経験があるという回答は10%に留まり、47%がUTokyo RepositoryでOA化が可能であることを知らないという結果であった。

 

UTokyo RepositoryでのOA化の理由

UTokyo Repositoryで学術雑誌論文をオープンアクセス化した経験がある方にお尋ねします。UTokyo Repositoryで学術雑誌論文をオープンアクセス化した理由について、当てはまるものをすべてお選びください。[複数選択可]

UTokyo RepositoryでOA化した経験のある回答者は、「APCがかからないから」を理由として最も多く選択している。

 

OA化の経験について

これまでに、ご自身の論文をオープンアクセスにしたご経験はありますか。以下のうち当てはまるものをすべてお選びください。 [複数選択可]

 

APCを支払ってオープンアクセスにした経験がない方にお尋ねします。その理由について、当てはまるものをすべてお選びください。[複数選択可]

回答者の半数以上がフルOA誌でのOA化経験があると回答したが、APCを支払ってOAにした経験がないという回答者も137名おり、その57%が理由として「APCの負担が大きいから」を選択している。

 

UTokyo RepositoryでOA化しない理由

UTokyo Repositoryで学術雑誌論文をオープンアクセス化した経験がない方にお尋ねします。UTokyo Repositoryで学術雑誌論文をオープンアクセス化した経験がない理由について、当てはまるものをすべてお選びください。[複数選択可]

費用の負担なくOA化が可能なUTokyo Repositoryだが、前述のように回答者の90%がUTokyo RepositoryでOA化した経験がないとしており、「リポジトリへの登録方法がわからない・煩雑である」を理由として最も多く選択している。

 

OAの印象について

オープンアクセス(OA)の印象についてお伺いします。

OAを推進した方がよい、自分の論文をOAにした方がよいという回答がいずれも80%以上を占めているものの、自らAPCを支払ってOA化する必要があるとは思わないという回答が49%あった。


〇アンケート実施の基本情報

    対象者:東京大学所属の論文を執筆する教職員・学生(図書系職員・URA等は除く)

実施期間:20241021日(月)~2025131日(金)

周知方法:附属図書館ウェブサイト、UTokyo Portal(教職員向けポータル)、UTAS(学生向けポータル)

    実施形式:オンライン(Microsoft Forms) 自主回答形式

    回答者数:403名

 

〇結果詳細  学内限定公開