岸本英夫

きしもと・ひでお 1903-1964

 兵庫県生まれ。宗教学者。大正15年東京帝大文学部宗教学科を卒業し、大学院で研究を続けました。昭和5年アメリカに留学しハーバード大学で宗教心理学を学びました。戦後東京大学文学部教授となり、宗教学宗教史講座を担当しました。終戦後GHQに対して宗教に関する占領政策について提言をおこないました。その後日米間の学術交流につとめるなど活躍しました。
 晩年の昭和35年より図書館長となり、東京大学の図書館の近代化に貢献しました。癌におかされた体をおして、会議や講演に出席し大学図書館の改革の必要性を唱え、学内のみならず、日本全国の大学図書館に大きな影響を与えました。昭和39年に急逝。自らが先頭に立って推し進めた改革の成果を見ることなくこの世を去られました。
 (「日本人名大辞典第7巻」(平凡社)より)