古在由直

こざい・よしなお 1864-1934

 京都府生まれ。農芸化学者、農学博士。明治19年駒場農大を卒業し、22年東京農林学校教授、翌23年農科大学助教授になりました。明治28年よりドイツ(ライプニッツ大学)に留学し、32年には農学博士となり、帝国大学農科大学教授に任ぜられました。
 足尾銅山鉱毒調査では銅汚染を実証し、世論を喚起しました。また日露戦争時は非常時農業対策に参画するなど、さまざまな功績をあげています。
 大正9年東京帝国大学総長になり、14年に再選されています。その剛毅果断な気質と正義感あふれる行動で、任期中に起きた関東大震災で大きな被害を被った大学の復興事業を先頭に立って成功に導きました。
 (「日本人名大辞典第2巻」(平凡社)より)