展示会の概要



 田中芳男(信州飯田生まれ:1838.8.9〜1916.6.22)は若い頃、医術、本草学を名古屋の伊藤圭介(日本で初の理学博士号取得者、後に東大教授)に学び、その後多くの博物関係の資料及び標本を収集しました。

また、慶応2年(1866)11月にパリ万国博に幕府から命ぜられて出張したことをきっかけに、殖産興業の発展を図るため博覧会を開催することの重要性を主唱するようになり、明治10年、我国初の内国勧業博覧会を皮切りに多くの博覧会開催に携わり、関係資料の収集に努めました。 明治39年には勲一等瑞宝章を、大正3年には学術及び農林水産行政その他多くの分野における長年の功績が認められ、男爵の爵位を授けられました。

 総合図書館所蔵の田中芳男文庫(約6,000冊)は、孫の田中美津男男爵によって昭和6年に東京大学に寄贈されたものであり、我国における博物学及び博覧会関係の貴重なコレクションです。これまで、田中文庫はまとめて紹介されたことはなく、附属図書館資料の利用促進を図るために、展示会を開催することとしました。

今回は田中文庫の博物学及び博覧会関係の資料の中から約50点を選び、博物学関係万国博覧会関係君拾帖関係内国勧業博覧会関係田中芳男事績関係の5つのグループにわけて展示しました。

 最後に、この展示会及び講演会の開催に当って、本学社会情報研究所の吉見俊哉助教授のご協力を得たことをここに記し、厚く御礼申し上げる次第です。

                            東京大学附属図書館


   [開催日時]  平成6年10月24日(月)〜11月18日(金)
           9時30分〜16時30分(ただし土、日及び祝日を除く)
   [展示会場]  総合図書館3階ホール

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