一 館蔵 万葉集あれこれ1.元暦万葉集 佐佐木信綱編元暦元年(1184)校合との奥書を持つ元暦校本万葉集の影印版。収録歌数の多い平安後期の写本として貴重で、原本は東京国立博物館所蔵(国宝)。なお、「ひむがしの...」という訓みは国学者賀茂真淵に始まるもので、展示本では「アツマノノ ケフリノタテル トコロミテ...」という訓が添えられている。 ![]() “新しき年の初めの初春の 今日降る雪のいやしけ吉事(よごと)”(大伴家持 巻20・4516)
2.万葉集因幡守大伴家持が天平宝字3年(759)に任地での元日の宴で詠んだ歌。万葉集の最後を飾るとともに最も新しい年紀を持つ歌でもあり、万葉集1250年の起点となるものである。 3.三十六歌仙絵上畳本三十六歌仙絵より大伴家持像。万葉集中最も多くの歌が収録され、編纂に深く関わったとされる。上畳(あげだたみ)本とは畳に座る歌仙を描くところからの名称で、原本は鎌倉時代の制作、大阪・藤田美術館所蔵(重要文化財)。 ![]() 4.万葉長歌集万葉集の中から長歌を抜き書きしたもので、幕末・明治の甲州の素封家であった渡辺家・青洲文庫の旧蔵書。万葉集の名義については、万の言の葉を集めたとする説(仙覚ほか)や万世に伝えるとする説(契沖ほか)などがあるが、旧蔵者渡辺信(青洲は号)による冒頭の識語「万葉集となづくる事の考証」は、後説に従っている。 5.万葉集諸本輯影 佐佐木信綱編輯代表東京帝国大学本と名付けられた写本の写真図版。塙保己一ゆかりの温故堂蔵本を写したものであったが、惜しくも大正12年(1923)の関東大震災で焼失した。本書には、他にも震災で焼失した東京帝国大学旧蔵の関連資料4点が収録されている。 ![]() 6.万葉集 版本となった万葉集の最初のもの。訓を付さないところから活字無訓本と呼ばれる。 | ||
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