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図書館・室自慢の1冊

史料編纂所の収集史料の数々

笠原 裕子

史料編纂所図書室
上席係長(図書総務担当)


 史料編纂所では、日本史に関する史料の研究と史料集の編纂・出版のために収集された、古代から明治維新期までの史料・図書・雑誌を所蔵しています。

 本所では印刷されて出版された図書を「刊本」、原本・写本類などを「史料」と呼んでいます。
「史料」としてはまず、全国各地や海外に伝来する史料を影写(筆跡をそのとおりに写し取ったもの。敷き写し)・謄写(文字の大まかな様子を筆写したもの。見取り写し)・模写・写真撮影などの技術で複製して収集した、膨大な複製史料群が挙げられます。
中には原本史料が失われたため、本所所蔵の複製史料でしか内容をうかがい知ることができないものも少なくありません。

 近年は、デジタル撮影により収集した複製史料を、原本所蔵者の許可を得てウェブ公開することも行っています。また、原本史料も多数所蔵しており、国宝指定の「島津家文書」(平安時代~江戸時代に至る薩摩藩島津家伝来の古文書群)や重要文化財指定の史料20件(「愚昧記(ぐまいき)」(平安~鎌倉時代の公家三条実房の日記)、「近藤重蔵関係資料」(江戸後期の幕臣近藤守重の著述稿本など)など)を始め、史料として希少なものは特別収蔵庫や貴重書庫に納め、管理・運用に特に注意を払っています。

島津家文書より『光格上皇修学院行幸絵図』(一部)
所蔵史料目録データベース(Hi-CAT) でみる

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