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図書館・室自慢の1冊

東方文化学院旧蔵書

東洋文化研究所図書室


 東方文化学院旧蔵書は、東洋文化研究所図書室の所蔵資料の中核となる資料群です。

 東方文化学院は、外務省所管の東方文化に関する研究機関として、1929年に創設されました。東京(大塚)と京都に置かれていましたが、1938年に両研究所は分離独立し、東京の東方文化学院は1948年に文部省所管の東京大学東洋文化研究所に吸収合併され、その旧蔵書和漢洋あわせて103,587冊が、1967年3月に本研究所に移管されました。

 特に注目すべきは漢籍で、1929年に中国浙江(せっこう)省の蔵書家徐則恂(じょ そくじゅん)氏から一括購入した東海蔵書楼蔵書を基礎として収集されたため、ほぼすべてが中国で作られた書物(唐本)である点が特徴です。また、現在東洋文化研究所で所蔵している古本や宋元版の多くが東方文化学院時代に入手されたものです。

 現在、一部の特別貴重書を除いてほぼすべてがOPACで検索するとヒットしますが、「東洋文化学院旧蔵書」という文庫区分はありませんので、OPACの検索結果では東方文化学院旧蔵書であることを識別することはできません。資料には「東方文化学院東京研究所」と書かれたラベルが貼られています。一部の貴重な漢籍は「東洋文化研究所所蔵漢籍善本全文影像資料庫」( http://shanben.ioc.u-tokyo.ac.jp/ )で画像を公開しています。

 なお、現在東洋文化研究所の建物の玄関前に置かれている一対の獅子像は、もともと東方文化学院東京研究所が研究資料として購入し、東方文化学院東京研究所の建物の前に置かれていたもので、東文研が1968年に本郷に移転した際には大塚に残されていましたが、1995年に現在の場所に移動してきました。

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