教育学部図書室では掛図を所蔵しています。特に秘密にしていたわけではないのですが、「掛図あります!」と公表するのはおそらく今回が初めてです。
図画工作科学習資料 小学校色彩編第一図 いろならべ その一 (昭和25年発行)
教育掛図は明治以降、学校の授業で使用されるようになった視覚教材です。教室の壁や黒板などに掛けて用いられたため、掛図(かけず)と呼ばれています。みなさんもカラフルで大きな図版を小学校の理科室などで見た覚えがあるのではないでしょうか。掛図は教科書などと異なり、吊ったり貼ったり丸めたりと扱われるので傷みやすく、破損したものは破棄されてしまうため現存するものが少ないと言われています。
当室では主に大正から昭和初期にかけて文部省で発行された、尋常小学校等の修身、図工、理科の科目の掛図を所蔵しています。かなり大きいため長年書庫の片隅で丸まっていましたが、近年、専門業者によるクリーニングと修復を行い、デジタル撮影も行いました。
尋常小學理科掛圖 いかの圖(大正4年発行)
物理的な制約で通常は現物をご覧いただくことが難しいのですが(とにかく大きくて広げる場所がない!)、ご希望があれば閲覧室内でデジタル画像をご覧いただけます。また、このデジタル画像はオンラインでの公開も検討中です。
修理の様子は株式会社資料保存器材様のWebサイトでご覧ください。
https://www.hozon.co.jp/koubou/archives/2022/11