ていかん ずせつ

25. 帝鑑図説    2巻 6冊


明張居正・呂調陽同撰  慶長11年豊臣秀頼據万暦
中刊本古活字印 図刊本
四周双辺 毎半葉9行19字 中黒口 双花魚尾
双魚尾間前(後)丁数 内匡郭22、0×14、4糎

 本書は、明の神宗が10歳で即位した際、その教育用に張居正等が、古代から宋代に至る歴代君主の故事を絵入りで解説した史書。前後2集から成り、前集には則るべき善政として伝説上の聖王尭(ぎょう)より宋の哲宗迄31人の81事、後集には戒むべき悪政として夏の太康より宋の徽宗(きそう)迄26人の36事が、伝や解を附して収められている。隆慶六年(1572)の成立。

 著者張居正(1525−82)は、字(あざな)は叔大、号は太岳、江陵の人。明後期の名宰相と称される。呂(りょ)調陽(1516−80)は、字は和卿(かけい)、号は予所、桂林の人。神宗朝の文淵閣大学士。

 展示本は、本書を愛読した豊臣秀頼が慶長11年(1606)に木活字を用いて刊行したもの(但し、図は整版)。有跋本と無跋本の2種が今に伝わるが、本館のは無跋本である。活字・絵共に精美な本として知られる。

(山本 仁)


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