ろんご

23. 論語     残4巻 1冊


魏何晏等集解 日本古鈔本 巻3・4・7・8存巻3公冶長篇有闕丁
四周単辺 有界 8行16字(注文小字双行)
無版心 句点・返点・送仮名 内匡郭17、2×139糎
ただし辺界とも細線手書 朱点朱引等あり

 集解は論語古注系最古の完本で、三国以前の諸注を集め、何氏等の所見をも付したもの。我が国への伝来は古く、鎌倉時代新注の渡来をみたが、なお博士家には古注の伝統あり、刊刻も江戸以前は大抵古注が行われた。

 そのため江戸以前の古写本も古注が大勢を占め、本書もその一つである。訓点と本文の墨色がおおむね一致することと、末尾奥書の筆跡・墨色がこれらと異なるのは、点も含めて奥書以前の鈔本であることを窺わせる。

 奥書には「文亀三年五月二日主水正章政伝領」とあり、本書は文亀3年伝領されたものであり、成立はこれ以前ということになる。また欄外に別手にて注記があり、■■疏または新注等を引く。江戸以後のものであろうか。和訓には異解を添える所もあり、返点とあわせて訓点資料の一となしうるものであろう。現存全49丁、原装2冊を一本に合冊している。

 「青洲文庫」の印記がある。

(高山 節也)


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