東京大学附属図書館では、毎年、全学で所蔵する貴重な資料を学内外の皆様にご覧いただくため特別展示を行っています。 今年度は、「知の職人 −南葵文庫に見る江戸のモノづくり−」と題し開催することといたしました。 東京大学附属図書館は関東大震災直後、紀州徳川家当主の徳川頼倫氏より南葵文庫約10 万冊を寄贈いただきました。南葵文庫には、紀州徳川家旧蔵書を始め、広範な時代と分野にわたる資料が含まれており、当館の基幹的資料の一つです。 しかし、点数の多さ、重層的な資料構成のため、これまでまとまった紹介はなされてきませんでした。このたび、日本の近世科学技術史、とりわけ江戸の「モノづくり」に焦点をあて、南葵文庫をご紹介する機会が持てましたことは、当館の喜びとするところです。 この展示にあたりましては、佐藤賢一電気通信大学助教授に全面的にご指導をいただくとともに、解題その他で多くの方々にご協力を賜りました。心からお礼申し上げます。 なお、関連企画として、展示期間中に佐藤賢一助教授による記念講演会「吉宗と東大−南葵文庫に見る知の職人たち−」を開催しますので、併せてご参加いただければ幸いです。 平成18年11月 東京大学附属図書館長 西 郷 和 彦
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