そうあんしきしゅんじょう
58.草庵式春帖 
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A00-洒竹2017
祇徳編。祇貞画。刊本、半紙本1冊。原題簽、中央無辺「草庵式 春帖」。内題、序に「草庵式」、4丁裏に「甲戌春帖 自在庵門人梵薩/仏因撰」(宝暦4年、1754)。48丁半、ただし終丁は後表紙に貼込。刊記「彫工 西村新助」「右春帖閏二月出梓 門空林自在庵」。巻首に南岳悦山の書「自在」を模刻。口絵は龍水画。祇徳一門の歳旦帖。祇徳は同年10月、53歳で病没する。巻頭に会席作法についての「草庵式」を掲げる。以下、作法書の式目を題に用いた門人らの発句・三つ物を配列。本書の見返と表紙の間には、祇徳の宗成宛配り状が挟み込まれている。以下にその全文を掲げる。「宗成様 祇徳(以上、端裏)/此間は奉得寛話/大慶仕候。然ハ春帖/八冊 宗成・宗吟・向意・福来・来徳・完(寛)二・暁翁・信夕/右之御方々御配可被下候。/病人かた/\無人にて/御座候間乍略御たのみ/申上候。御旅行前/何歟と御心いそがしく/御暮候半(と)奉存候。此間/御祝義被下候御方々へ/宜御礼たのみ上候。/草々不悉/後如月十六日/(以下、尚々書)二啓 どなた様えも/よろしくたのみ上候」。宗成・福来は、『四時観』連衆の祇明の弟、来徳は祇明の息。宗成は成美の父としても知られる。『草庵式』には暁翁の号のみ見えないが、同年刊の『誰ため』『五湖庵句集』には宗成らとともに入集している。(千野)



   
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