さきんぶくろ
6.沙金袋
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A00-洒竹1202
西武編。刊本、半紙本6巻6冊。明暦3年(1657)7月、切臨序。同年10月、懐徳堂永三跋。第1冊・第6冊は題簽欠、第2冊より第5冊は原題簽、左肩単辺「沙金袋 賦(比・興・雅)」。内題「沙金袋」。 第1冊52丁、第2冊44丁、第3冊53丁、第4冊36丁、第5冊24丁、第6冊32丁半。刊記「明暦三丁酉年十月吉日/貞安前町丸屋庄三郎」。印記「雀志文庫」等。各巻の表紙や見返に種彦の書入がある。各冊とも、句中の語彙の一部を朱・墨で書き抜く。本文に朱で施された傍点も種彦の手になるものであろう。本書は類題別に発句を集めた俳諧撰集で、風(春)・賦(春)・比(夏)・興(秋)・雅(秋)・頌(冬)の6巻より成る。650人の3824句を収めており、西武の代表的な撰集のひとつである。貞徳の没後、西武と貞室とのあいだに後継者争いが起こった。本書は貞室の『玉海集』に対抗して出版されており、跋文を寄せた永三は貞徳の孫である。西武派の正伯・素白・善種らの句を多く収める。本書は『一本草』(寛文9刊)と共に、寛文期以前には数少ない半紙本型の俳書として知られる。(酒井)



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