やまのい
3. 山之井
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A00-洒竹3858
季吟著。刊本、大本5巻合2冊。自跋。題簽欠、外題は「山の井 上(下)」と直書。内題「山之井」(巻1〜4)・「年中日々之発句」(巻5)。第1冊81丁、第2冊59丁。刊記「正保五年正月吉日 小嶋市良右衛門開板」(1648)。印記「杉本家蔵」等。両冊とも裏表紙に「山之井(山廼井)弐冊之内/樋口孫太郎」と墨書。巻4までは季寄書。主要な季題114語を選び、それぞれの季題の下に異称・類語・関連語を小さく注記し、さらにその季題の内容解説、付合の際の心得などを含蓄に富む雅文体で書き記し、次に発句の例句を示す形をとる。巻5は季吟の句日記(450余)を収録しており、季吟撰の発句集ともいえるもの。巻4末の自跋に「正保甲戌一陽天」とあり、丙戌3年12月の成立と考えられたこともあるが、巻5が正保4年の句日記であることから、現在は正保4年(1647)12月の成立と考えられている。本書は大本形式であり、慶安元年8月刊の横本形式のものに対して、初版初印本と考えられていたが、実際には約30箇所の入木が認められ、真の初印本ということはできない。初印本は正保5年正月に出され、直ちに入木補正されて刊行されたのが本書である。さらに補正され、同年のうちに出版されたのが慶安元年8月本である。 (酒井)



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