ラフカディオ・ハーン
(Hearn Lafcadio 1850−1904 日本名:小泉八雲)

 
  文学部 英文学
  明治29(1896)年−36(1903)年雇用

 ハーンが東京帝国大学に教師として就任した期間は、わずか6年半である。
ハーンの功績は英文学教師としてより、英語の文学作品を通して日本を世界
に紹介したことである。有名な「怪談」や「骨董」など日本の古き時代から
題材を得た作品、また日本の日常生活の中から取材された作品など、ハーン
独自の眼ざしは、未だ人気の衰えることはなく、ハーン自身の著作も含めて
後人の研究書は後を断たない。
 ハーンは1850年6月27日、現在レフカス島と呼ばれるギリシャの島
でイギリス人の父とギリシャ人の母との間に生まれた。2歳から17歳まで
アイルランドのダブリンで育つが、5歳の時に母がギリシャへ戻ったため大
叔母に引き取られ教育を受ける。その後大叔母の破産などあってアメリカに
渡り新聞記者となったが1890年派遣されて来日。B・H・チェンバレン
との交友は有名。松江、熊本の中学校で英語教師、神戸で新聞記者を勤めた
あと学長外山正一に請われて東京帝国大学に赴任した。1891年小泉セツ
と結婚、1896年1月小泉八雲名で日本に帰化。東京帝国大学辞任後は早
稲田大学に移った。なお、東京大学文学部英語・英文学研究室の市河三喜旧
蔵書中にはハーンの自筆草稿、書簡等資料を多く収蔵する。


  1. Appreciations of petry 1922年 William Heinemann 縦24.0cm 408p 総合図書館 E200:6662
  2. A History of English Literature. 5th ed 1941年 The Hokuseido Press 縦19.0cm 818p 総合図書館 E200:6896  
  3. Some Stranbe English Literary Figures 1927年 The Hokuseido press 縦19.0cm 140p 総合図書館 E200:6647  ハーンの講義は英文学史、英詩解釈、作家論、作品論、韻律論などで、感 受性豊かな文学鑑賞と批評によって学生らに深い影響を与えた。その講義内 容は当時の学生たちの筆記をもとに印刷刊行されているが、前掲の3点を総 合図書館では所蔵している。
  4. 自筆書簡   落合貞三郎宛 1892年1月20日   縦21.0cm、横13.0cm   文学部英語・英文学研究室
  5. 自筆原稿「サクラノキノハナシ」   縦22.2cm、横16.0cm 7葉   文学部英語・英文学研究室  
  6. Azure psychologyの草稿   縦27.5cm、横19.8cm 草稿33枚39丁 張り込み帳   文学部英語・英文学研修室
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