しじつがん こうもく

33. 資治通鑑綱目     59巻 60冊


宋朱熹撰  明司礼監刊本
四周双辺 有界 毎半葉8行18字(注文小字双行)
中黒口 双魚尾 版心題通鑑綱目 双魚尾間書名
巻数丁数 内匡郭26、4×17、0糎 有首書
朝鮮装

 朱熹(しゅき)(1130−1200)、字(あざな)は元晦・中晦、号は晦庵、徽州(きしゅう)■源(ぶげん)の人、朱子学の祖。

 初め、北宋の司馬光が資治通鑑を著して、周の威烈王から五代後周の世宗迄、1362年間の歴史を編年体に叙述し、又目録を作って精要の語を収め、晩年更に挙要歴を著そうとして中途で没した。挙要歴はその後胡安国に引き継がれ、挙要補遺となったが、通鑑綱目は、通鑑を主に他の三書を参照し、別に義例を設けて編纂した書で、朱子43歳の時の作。

 但し細部は、朱子の委嘱を受けて門人達、特に趙師淵により編まれたと言われる。その構成は綱(重要事項)と目(注)とから成り、名分論的立場から褒貶の意が寓されている。

展示本は、明代、宮中の儀礼を掌った役所である司礼監(しれいかん)が刊行したもの。明代中葉の刻であろう。司礼監等中央官庁の出版物は、その板木が経廠に蔵されたことから経廠本(けいしょうぼん)とも称され、篇幅・文字共に大ぶりで料紙にも白棉(めん)紙を用いた贅沢な造りではあるが、本文の校勘が精核でないとされる。

 尚、展示本は朝鮮渡りと言って、表紙が朝鮮で改装された本。

(山本 仁)


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