きょか ひつび

22. 居家必備    10巻 11冊


  明闕名撰  明末刊本巻7補鈔
左右双辺 有界 9行20字(注文小字双行)
白口 単白魚尾 総目・各巻首目版心題居家必備
本文版心題各引用書名 魚尾下丁数 有図 内匡郭19、1×13、5糎

 本書は家庭にあって子弟の教育における要務について、家儀・懿訓・治生・奉養・餌養・飲饌・芸学・清課の八門に分かち、歴代名賢の書を抄引して解説にかえたもの。

 例えば家儀に居家義礼以下十書、懿訓に遵生宝訓以下十三書、治生上・下に斉民要術以下十八書、奉養に天隠子養生書以下十三書、餌養に九経以下九書、飲饌に■造品以下五書、芸学上・下に六義図解以下二十三書、清課に清斎位置以下四書を引く等。各巻首に引用書目があるが、本文中には八書を闕き、実質引用書は八十七種である。首に瞿祐の引がある。瞿氏字は宗吉、明初の文人にして学才あり。本書の成立もこれに準じ明初に遡るか。ただ本書自体は明末刊本の風があって、瞿氏の名は仮託かもしれない。同系書は明代類書中に頻出するが、本書の伝本はやや少ない。

 「谷干城玩書」「稲葉氏/架蔵記」「独観大略/不求甚解」等、蔵書印多数あり。

(高山 節也)


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