『有用植物図』 [ユウヨウ ショクブツズ] 田中芳男、小野職愨・撰 曲直瀬愛、小森頼信・校 服部雪斎・図画 明治23年(1890)頃 3冊(端本) 【請求記号:T83-225】 参考展示資料:『有用植物図説』 田中芳男、小野職愨・撰 曲直瀬愛、小森頼信・校 服部雪斎・図画 明治24年(1891) 目録1冊、解説3冊、図画3冊 全7冊 【請求番号:T83-601】
サトウキビ、タバコ、 ミカン類 クハ、クヌギ等 山御坊、ひがんばな
明治24年刊行の『有用植物図説』の試験刷段階のもので、体裁は概ね同じだが、訂正意見を記した付箋が挟み込んであるもの、未着色のもの(何れも図画巻1にあたる)、図画巻1と巻2の残欠を合冊したものの3冊のみ。随所に図版の色や構図の変更に関する付箋や朱書きの訂正が入っており、校正作業等に利用されたものの一部が、田中芳男の手元に残ったものと思われる。完成品である『有用植物図説』は、各丁片面に色刷木版画が4図ずつ、総数で1,015の有用植物が収載され、それぞれ和名、漢名、ラテン名、科名が付記されていて、その完成までには10余年の歳月が費やされたという。そして、明治前半期における応用博物学の大きな成果の一つであると同時に、収載されている図版は、この時代の色刷版画の趣をよく伝えているものといわれている。