表紙に「今ハ昔」「今物語」とあるが、内容は「世継物語」の書写である。江戸後期の国学者、黒沢翁満が書写したもの。「世継物語」は鎌倉時代の説話集で、平安時代から鎌倉時代にかけての和歌説話を中心に五十六条を収める。「大和物語」「枕草子」「栄花物語」などを典拠とし、「古本説話集」とも関連する王朝貴族的な内容の説話が多い。増補改編本に「宇治大納言物語」がある。小世継(こよつぎ)、小世継物語とも言う。