鱗形屋孫兵衛より刊行された上下2冊の黒本で、室町時代の画僧雪舟の逸話が書かれた一代記物。柱に縛りつけられた雪舟が、生きているような鼠を涙で描いたという有名な伝説が収録されている。雪舟以外の人物の逸話も取り入れられており、最後に雪舟が「子子子子子子子子子子子子(ねこのこのこねこししのこのこしし)」と読む場面は小野篁(おののたかむら)の伝説から仮用されたものである。