中国南宋の詩人陸游(1125-1210、号は放翁)の詩に、江戸時代後期の儒者・漢詩人市河寛斎(1749-1820、諱は世寧、寛斎は号)が註釈をしたもの。1冊目は陸游の伝記と寛斎作成による年譜などからなり、2冊目(「入蜀詩」)は乾道6年(1170)に地方官として蜀(現在の四川省)に赴任するときの詩が、3冊目(「出蜀詩」)は淳熙5年(1178)に帰郷するときの詩が収められている。かつて寛斎の著作として知られていながら所在が不明であったが、当館職員によって所蔵が確認されたものである。