『中庸解』は荻生徂徠(=物茂卿)による『中庸』の注釈書。『中庸』は『論語』とならぶ儒学の基礎的な書物の1つである。この『中庸解』の巻末に、徂徠門下の服部南郭(1683-1759)によって記された、徂徠の著作目録である「物夫子著述書目記」が付されている。展示したのは「書目記」の『楽制篇』を録した部分で、この記載から『楽制篇』が「頗る秘にして刊行を許さざる」著作であったことがわかる。