江戸俳諧中興の祖といわれ、俳画の創始者でもある与謝蕪村も妖怪の絵巻を描いている。蕪村が丹後の宮津で絵の修業をしていた宝暦4~7年(1754~57)の間に描かれたとされ、寄寓していた見性寺の欄間に張られていたと伝えられている。 現在、原典は所在不明だが、本巻は昭和3年に北田紫水文庫から復刻された物である。 8点の妖怪が描かれており、また絵柄はユーモアを一層強調したもので、所謂マンガ的といえる作風である。