近行遠通は、遠近道印と同一人物で、富山藩医藤井半知と推定されている。江戸の各所を描いた三十四図の師宣の挿図は秀逸で、当該期の師宣の基準作となっているが、残念ながら本書は写本であり、師宣の画風がどこまで再現されているかは不明である。