正徳5年(1715)初演。近松作の五段の時代物。17カ月に亘る大ヒットとなり、竹本義太夫死後の竹本座を救った。主人公、和藤内(和でも唐でもないの洒落)のモデルは、明朝の復興運動を行った鄭成功(国姓爺)。日本人の血も引く鄭成功の大活躍と中国の異国情緒溢れる舞台を鎖国下の観客は楽しんだのであろう。 展示資料は、全段を収録した7行正本。