資料解説
資料解説の一部は伊藤節子氏(元国立天文台)と平岡隆二氏(長崎歴史文化博物館)にご協力いただいた。無記名の解説は中村士による。
所蔵機関名表示のないものは、東京大学総合図書館所蔵である。
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日本天文学会は明治41年(1908)に創立された。これは、理学系学会の発足としてはかなり遅い方である(表1参照)。その理由は、天文学の研究者が非常に少なかったためである。日本天文学会の発足時ですら、帝国大学星学科と東京天文台の研究者を合わせても10数名に過ぎなかった。そこで学会の主目的を天文学の教育と普及におき、いわゆるアマチュア天文家を準会員として組織する方針が取られた。この学会の性格づけは、フランスの天文家フランマリオンの活動に倣ったもので、初代会長、寺尾寿の発案だった。この方針は成功し、第1回の定会で寺尾が報告した会員総数は650名に達した。
【参考】第1巻から第20巻までの復刻版が出ている(第一書房,1985)。