資料解説
資料解説の一部は伊藤節子氏(元国立天文台)と平岡隆二氏(長崎歴史文化博物館)にご協力いただいた。無記名の解説は中村士による。
所蔵機関名表示のないものは、東京大学総合図書館所蔵である。
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「地動説の証拠」と題して、地球自転に伴う天文学的現象と回転体の力学理論を解説した。その中で、日時は明記されていないがフーコー振子の実験を東京大学で行なったことを簡単に述べている。長さ16-17尺(約5m)の銅線に重さ11貫目(41kg)、直径7寸(21cm)の球体を吊るして揺らした。この球の比重は約8.5に相当するから、鉄球か銅製の球を使用したと考えられる。
菊池は津山藩出身、箕作秋坪の次男。英国に留学し東京帝国大学の数学教授をつとめた。明治17年(1884)には本初子午線会議(ワシントン)に日本代表として出席する。後に、東京帝国大学総長、帝国学士院院長、文部大臣を歴任した。