資料解説
資料解説の一部は伊藤節子氏(元国立天文台)と平岡隆二氏(長崎歴史文化博物館)にご協力いただいた。無記名の解説は中村士による。
所蔵機関名表示のないものは、東京大学総合図書館所蔵である。
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ポアッソン(1781-1840)はフランスの数理物理学者、理論天文学者。力学、電磁気学へのポテンシャルの導入、ポアッソン括弧式、重力のポアッソン方程式、弾性理論など、多くの優れた業績をあげた。パリ大学、経度局で要職を歴任した。本書は1811年に出版された名教科書とされる「力学概論」を大幅に増補改訂したものである。静力学と動力学の2部に分けて、序文にも述べられている通り、一般理論の理解を助けるために豊富な例題を明快な解析の手法によって議論しているのが特徴である。
本書には、関東大震災からの復興計画の一環として、1923年にフランス電気学会から寄贈された旨のラベルが貼られている。震災以前の物理学科、星学科で使用された典型的な教科書であったろう。
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