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世界天文年2009によせて  展示資料一覧

資料解説
資料解説の一部は伊藤節子氏(元国立天文台)と平岡隆二氏(長崎歴史文化博物館)にご協力いただいた。無記名の解説は中村士による。
所蔵機関名表示のないものは、東京大学総合図書館所蔵である。

23 蕃書調所書籍目録写
箕作秋坪写、写本1冊

高橋景保によって文化8年(1811)に天文方内に創設された「蕃書和解御用」は、その後規模を拡大して安政3年(1856)に蕃書調所に発展した。翻譯センターであるこの役所には当然多くの分野にわたる多数の洋書が所蔵されていた。本史料は蕃書調所の書籍目録を箕作秋坪が筆記したものである。箕作秋坪は幕末の翻訳官、津山藩から箕作家に養子入りした。蕃書調所に所属し、外交文書の翻訳にも従事した。明治維新後は、東京師範学校摂理、教育博物館館長・東京図書館館長もつとめている。

本書の初めに総目として目次があり、天文類、地理類、文則類、窮理類、分離類、動物類、植物類、政事類、伝記類、航海類、兵法類、建築類、器械類、数学類、医術類、雑著類、辞書類、を列挙している。例えば、天文類には、55点の洋書と27年分のオランダ暦、29年分の航海暦が刊行年と共に記載される。ただし、書名のほとんどはいずれの類でも原綴りではなく、例えば「ラランデ暦書」などの通称であるため、原著の同定ができていない書物もある。本書の最後には、実物を見ないと分類が困難と書かれた書籍が36種挙げられているから、上記の分類は箕作自身が行なったものであろう。

蕃書調所書籍目録写
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