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ごあいさつ

東京大学附属図書館では、毎年、全学で所蔵する貴重な資料を学内外の皆様にご覧いただくため特別展示を行っています。

今年度は、2009年が世界天文年であることから、「日本の天文学の歩み~世界天文年2009によせて~」と題し、開催することといたしました。今年は7月22日に国内で46年ぶりに皆既日食が観測されたこともあり、天文や天体への関心が高まりました。今回の企画は、天文学に関する本学の貴重資料等をご覧いただく非常に良い機会かと思います。

展示資料はおよそ60点、寛永14年(1637)の具註暦、フーコー振り子の実験を紹介した菊池大麓の論文(明治16年(1883))、明治20年(1887)の皆既日食の錦絵、『ネイチャー』、『サイエンス』をモデルとして大正2年(1913)に創刊された高級科学雑誌『現代之科学』のほか、天体力学の分野で大きな業績を上げた本学理学部教授・萩原雄祐の講義原稿集録、電波天文学の開拓者である畑中武夫(後、理学部教授)が萩原の講義を受講したノートなど、日本の天文学の歩みを示す貴重な資料を展示しております。

なお、この展示にあたりましては、中村士(つこう)帝京平成大学教授および伊藤節子氏より、全面的にご指導・ご協力を賜りました。また、内外の関係機関の方々にも大変お世話になりました。この場を借りて深く御礼申し上げます。

平成21年10月

東京大学附属図書館長
古田元夫