【鼎談】こまとちゃんとふたりの図書館長

2020年4月13日~6月17日まで、新型コロナウイルス対策のため、駒場図書館は臨時完全閉館しました。以下は、感染予防に注意しつつサービスを再開した館内某所で行われた、こまとちゃんと館長たち(駒場図書館長と総合文化研究科図書館長)による鼎談記録です。

館長A:こまとちゃん、『駒場スタイル』登場から1年ぶり、元気にしてた?去年の単独インタビューで、駒場図書館のお休みの日は何をしているか、って尋ねられて

こまとちゃんの閉館日

って答えていたでしょう?今回の臨時休館中もお手伝いしたの?

こまとちゃん:もちろん!3月末から椅子の撤去や文具の除去、アルコール消毒もお手伝いしました!でも閉館になってからは、いつもと違って、スタッフさんたちは「人生初」のテレワークに入ったので、館内はガラガラで、ちょっと寂しかったです。

館長I:紙の本の貸し出しや返却もできなくなってしまったからね。でも図書館は閉館していても、利用者とはつながっていたね?

こまとちゃん:はい、MyOPACサービスはしばらくお休み(4月7日~6月14日)したけれど、初年次ゼミナールの検索実習や図書館Webセミナー動画をITC-LMS上で公開したり、その少し後にはシラバス掲載の教科書のうち使える電子ブックタイトルをまとめてお知らせしたりしました。利用者さんたちは、「オンライン学習、在宅研究・勤務で利用できるオンラインサービスのご案内」も見てくれたかなあ?

館長A:あのページは附属図書館のスタッフさんが真っ先に作ってくれたのよね。ただ初めてGACoSを使う人は、操作が難しくて躓く傾向があるでしょう?

こまとちゃん:え~と、これについては情報システム部情報基盤課学術情報チームから素敵なプレゼントがありました。なんと学生さん用に「はじめてのSSL-VPN Gatewayサービス」のチラシを作ってくれたのです!

館長A:そうなのです!本当は早くから猫ちゃん・ワンちゃんの2匹バージョンを準備していたけれど、サーバー集中の問題もあって、なかなかアップロードできなかったのですって。6月4日にブタさんを加えた3匹で、満を持して登場しました。同学術情報チームのリテラシー担当スタッフさんによる動画「論文準備ここからスタート!文献検索編 Part1 GACoS 学外からのデータベース・電子ジャーナルの使い方」もあります。ぜひご覧ください。

こまとちゃん:館長さんたちって、大学や大学院で授業もしているの?

館長I:両館長とも4月からオンライン授業をしています。人生初のオンライン授業導入で、ふたりとも講習会に参加したり、練習したり、それはもう大変でした!私の専門分野は「社会科学」ですが、電子ジャーナルのバックナンバーをみたり、過去の新聞の記事を検索したり、いろいろ学生にトライさせています。紙の本を借りるのが難しい今をチャンスと考えて、図書館のデータベース等で何ができるのか、隅々まで探ってほしいですね。

館長A:ほら、こまとちゃん、ここで言わなきゃいけないことがあるでしょう?

こまとちゃん:はい!電子ブック等は、コンテンツによりアクセス数に制限がある場合も多いので、使った後は、速やかにログアウトして下さい。長時間の占有や大量ダウンロードもご遠慮ください。特にレポート課題が多くなる今月は、特に利用マナーの徹底をお願いします。

こまとちゃんのお願い

館長I:でも、どうしても紙の本が必要な利用者さんもいるよね。駒場図書館では学位論文(卒論・修論・博論)執筆者に限って5月20日から資料郵送サービスを始めました。

こまとちゃん:電子化されていない本がいっぱいあるから…。利用者さんが紙の本を借りたくても、ほとんどのスタッフさんは自宅テレワーク。それでも図書館に来られる一握りのスタッフさんだけで、「利用者さんのニーズに応えられないか?」って相談しました。

館長A:図書館の減員体制下、ギリギリ可能なサービスを提供したのよね。ステージ「レッド」の完全閉館中もスタッフさんは利用者さんたちのことをいつも考えていました。

館長I:レポートや研究論文をたくさん書けば書くほど理解できるようになるでしょうが、学習・研究支援はバックヤードのサポート・スタッフなしには成り立ちません。目立たず、そっと力を貸してくれる存在を意識できる想像力を持ちましょう。

館長A:シャイなスタッフさんは、発送の連絡メールに「郵便配達の方に感謝してください」って書いているみたいですが、ここで私たちからもお願いしておきましょう。論文完成の暁には、ぜひ図書館スタッフさんへの謝辞もお忘れなく!

こまとちゃん:6月17日からは駒場に来館できない学生さんにも累積上限5冊まで郵送貸し出しサービスを始めました。ただし、たとえ現時点で予約したとしても、返却が難しく、必要な時までに利用が見込めない図書がたくさんあります。スタッフさんは頑張っているけど出勤率の制限もあるので、いつも通りのスピードでの仕事は難しいみたいです。

館長I:6月17日からは再開館、完全二部制入れ替えで、駒場Iキャンパス所属の学生・教職員はWeb予約をすれば入館可能になりました。最新状況はHPで必ず確認して下さい。

こまとちゃん:手指の消毒・手洗いにもご協力ください!

館長A:それから冷房が効き始めた館内の窓が閉まっているけど、これはなぜかというと、

こまとちゃん:空調で外気を取り入れて換気ができるので、駒場図書館は窓開け不要なのです!えっへん!

館長A:このように衛生環境を保つ努力はしていますが、館内のWiFi接続に限りがあること、また予約枠ごとに利用者の総入れ替えを行うなどの理由から、オンライン授業の受講や試験の受験場所としての利用はお断りしています。

館長I:これから定期試験に向けて図書館利用のニーズが高まる時期を迎えます。図書館運用や館内の環境が平時と異なるため、影響も大きいでしょうが、利用者の皆さんのご理解・ご協力をお願いします。

こまとちゃん:まだ制限もあるけれど、駒場図書館はいつも利用者さんたちのことを考えています。これから暑い夏の季節、でもみんな元気で、試験やレポートも頑張ってね!応援してま~す! それから今秋の『教養学部報』にも登場予定なので、どうぞお楽しみに! 

【鼎談記録者・A. I.】