実録体小説


32 伊賀越実録 G29-327

 作者未詳。写本、半紙本5巻1冊。外題打付「伊賀越実録」。目録題「武家雑法転輪」。内題・尾題「雑法転輪」。73丁。奥書「安永五丙申年七月与之/天保五年畑兼太郎与之」。岡山の武士渡辺数馬が弟を河合政五郎に殺されるが、浪人荒木又衛門の助太刀を得て伊賀上野鍵屋ヶ辻で敵討をするという一件に取材した実録体小説。諸作あり、名称・長短もさまざまである。本書は「殺法転輪」系のものか。


33 日光邯鄲枕 G29-362

 作者未詳。写本、半紙本1巻1冊。後補表紙、題簽、左肩双辺「日光邯鄲枕」。共紙表紙、外題打付「増補日光邯鄲枕」。目録題・尾題「増補日光邯鄲枕」。67丁。印記「坂田文庫」等。5代将軍徳川綱吉の寵臣柳沢吉保が、武田家の後裔として徳川幕府簒奪を計画したことを筋とする実録体小説。柳沢騒動物と総称され、「日光邯鄲枕」のほか「護国女太平記」などが知られる。