談義本・滑稽本


27 当世下手談義 E24-530

 静観房好阿作。刊本、半紙本5巻5冊。自序。原題簽、左肩双辺「当世下手談義 二」「当世へた談義 四」「当世下手談義 五」。内題「当世下手談義」。尾題「当世下手談義」。第1冊14丁、2冊22丁、3冊23丁、4冊12丁、5冊12.5丁。刊記「宝暦二申正月吉晨/東都書林/大和田安兵衛/大坂屋又右衛門/版」。印記「南葵文庫」。江戸の風俗に取材した7編の教訓的な話を載せる。本作は大変な人気を博し、多くの追随作批判作を生んだ。巻5奥付に近刊予告「当世下手談義/後編/全部五冊/追而出来」とある。本作の初版は「大和田安兵衛・大坂屋平三郎」版で、「大和田安兵衛・大坂屋又右衛門」版の展示本は後印だが、さらに近刊予告の「追而」の文字を削った版もある。


28 風流志道軒伝 A00-霞亭4650

 風来山人作。刊本、半紙本5巻5冊。自序。宝暦13年(1763)冬、独鈷山人序。宝暦13年冬、しい茸干瓢子跋。原題簽、左肩双辺「風流志道軒伝」(2〜5巻のみ)。内題「風流志道軒伝」。尾題「風流志道軒伝」。第1冊18丁、2冊13丁、3冊12丁、4冊14丁、5冊18.5丁。刊記「寛政四年子正月発兌/書肆 大坂心斎橋筋安堂寺町五丁目/八文字屋八左衛□/江戸□…□」。浅草奥山に実在した談義僧、深井志道軒を主人公とし、その架空の出自と諸国遍歴の過程を語る中に、作者風来山人こと平賀源内の目から見る人間の諸相が描出、批評される。談義本に遍歴物の流行をもたらした作品。展示本は寛政4年(1792)刊。


29 奇妙図彙 A00-霞亭468

 山東京伝作画。刊本、小本1冊。自序。題簽剥落。見返題「奇妙圖彙」。30丁。刊記「享和三癸亥初春/東都書林/室町二町目 須原屋市兵衛板/京都烏丸通丸太町 圓屋源八郎」。文字絵を主とした見立絵本集で、黄・朱・薄墨などを用いた淡彩が施され、洒落の詞書を添える。

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30 東海道中膝栗毛 E24-50

 十返舎一九作。刊本、中本、8編17冊および発端1冊。初編、享和2年(1802)1月自序。2編、享和3年春芍薬亭主人菅原長根序。3編、享和4年1月春芍薬亭序。4編、文化2年(1805)春芍薬亭序。5編、文化3年春亀山人蘭衣序。5編追加、文化3年5月芍薬亭序。6編、文化4年1月自序。7編、文化5年春亀山人蘭衣序。8編、文化7年1月自序、書肆栄邑堂付言。発端、文化11年(1814)1月、自序。原題簽、左肩双辺「道中膝栗毛 発□□(初編〜8編下、ただし3編上は欠)」。内題「道中膝栗毛発端(3〜8編)」「浮世道中膝栗毛初篇(後編)」。尾題「道中膝栗毛発端(後編・3〜8編)」。刊記「本所相生町壱丁目/紙屋利助」(2・3編)。印記「青洲文庫」等。駿河国府中に生まれ、江戸神田八丁堀に住まいする弥次郎兵衛と喜多八の二人連れが、東海道を旅する際の滑稽譚。遍歴物の仮名草紙等に構想をあおぎ、名所記を参照し、狂言・川柳・洒落本・噺本等の趣向や形式を取り入れ、随所に狂歌をちりばめる。大衆向けの笑いに徹した作品で、多くの追随作を生んだ。