20 両御丸並紅葉山図


                   
  

20 両御丸並紅葉山図   製作者・製作年不明 手書図手彩色 44 × 55 cm  総合図書館 (南葵文庫・坂田文庫) SW:60  本図は彩色をほどこした小型江戸城図である。嘉永5年(1852)以降に作成されたと 思われる。江戸城の地図は刊行が許されておらず、江戸城関係の絵図は何れも手書図で、部 分的なものや、写図年代の新しいもの、略図、省略が多く、精密さにかけるものが多い。 江戸城は、12世紀初めに、「江戸重継」が構えた居館をその発端とし、室町時代の中期、 長禄元年(1457)に、太田道潅が、重継の居館の廃亡の跡地に築城した。その後、天正 18年(1590)徳川家康は「江戸」を、領國経営の根拠地と定め、江戸城は新規築城に 等しい大修築が行われ、また城下町建設も平行的に施行され、近世的大城郭へと転換発展を とげた。城内は、江戸時代を通じて、度々火災などによる修築が行われているが、だいたい においては、初期の規模構造が維持され、幕末におよんでいる。ただし、天守閣は「明暦大 火」による焼失の後、再建されなかった。 図中の黒い四角形の印は櫓の位置を示す。左下には警備の場所と受持ちが箇条書きにされ ている。

                              
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